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キーマンに聞く
連載5《ブライダル業界 活性化のためのM&Aの指南》M&Aを成功させるための3つのポイント【イロドリ 代表取締役社長 千々木綾氏】
連載5 回目の今号は、M&Aの成功事例を紹介したいと思います。
M&Aを成功させる秘訣として、①準備、②タイミング、③相性と、大きくこの3 つがあると考えています。今回お伝えするのは、まさにこの3つが綺麗に当てはまったと言えるものでした。
衣裳事業を展開するほか、式場Aを運営するある50代の社長は、自身の後を継げる子どもがおらず、会社の将来を考えて、「M&Aをゆくゆくの選択肢の1 つにしたい」と考えていました。もっとも、まだまだ働き盛りの年代と言えますから、「将来に向けて、とりあえず情報収集を」と当社にご連絡をしてきた流れでした。
その数ヵ月後、事業の拡大を考えている別会社の社長から相談を受けました。話を聞くと、「M&Aでこのエリアへの進出を考えている。例えば式場Aに、とても興味がある」とのこと。その式場こそが、以前相談を受けていた、50代社長の施設Aだったのです。
当初50代のその社長は、「ゆくゆくは~~」という理由でのご相談でしたが、まずは1度会うことを提案。実際に対面してみると、事業を拡大したいという先方の真剣な想いと、情熱的な人ということも伝わったようです。
結果から申し上げると、会社自体を譲渡するのは年齢的にも時期尚早ということから、展開していた衣裳事業は自身でそのまま運営。株式譲渡ではなく、式場部分を事業譲渡し、そして衣裳は提携という形になりました。
M&Aの成功ポイントである②タイミングと、③相性は、どうしても意図的に“操作”するのが難しい部分でもあります。そこで重要なのが、①の準備。今回のケースにおいてもキーポイントの1 つとして、早い段階で50代社長が当社に相談していたということが挙げられます。仮に、この早期での準備がなかったとすると、そもそも数ヵ月後に舞い込んだ買い手企業の相談に、ここまでスピーディーに対応できず、タイミングを逃してしまう可能性も。こうした点からも、やはり①の準備は、特に重要ということです。
M&Aはまさに“結婚”のようなもの。50代はまだまだ働き盛りですが、ご子息や社内の役員も含め、後継者に該当する方がいるのかハッキリしてくるタイミング。早すぎると思わずに、事前準備をすることで、結婚のような“ご縁”に繋がると考えています。条件などにもよりますが、M&Aは一般的に1 ~ 2 年を要します。M&Aに少しでも興味があれば、お気軽にご相談頂けると幸いです。 (PR)
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)