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連載21《3分で分かる!ブライダルのDX成功事例》成約率向上に貢献する来館前のアンケート活用【TAIAN 取締役 COO 米倉元気氏】

連載21《3分で分かる!ブライダルのDX成功事例》成約率向上に貢献する来館前のアンケート活用【TAIAN 取締役 COO 米倉元気氏】

当社が展開するAll in One婚礼システム『Oiwaii(オイワイー)』のWebサイトでは今後、導入企業の成功事例を順次紹介していく予定です。これに合わせて今号の連載では、当社システムを利用するゲストハウス運営企業A社の導入事例を踏まえつつ、システムを通じた来館前アンケートの重要性を、改めて考えてみたいと思います。

成約率を語るうえで欠かせないのは、言わずもがなですがプランナーの采配です。どのカップルを誰が対応するのか、皆さんの会場はどのようなフローで決定していますか。カップルと担当プランナーの相性などはもちろん結果を左右しますが、成約率を高めていくためには来館前アンケートを活用し、カップルの情報を事前に把握しておくことも必要不可欠です。

今回事例として紹介するA社は、今年春頃からOiwaiiを導入。運営する会場は顧客満足度も高く、優秀なプランナーが多く在籍しているのも特徴の1つでした。この式場に限らずの話ですが、こうした優秀なスタッフがいる施設は、言い方を変えればサービスが属人的になる可能性も否定できないということ。プランナーが優秀であればあるほど“光るセンス”を持っていますから、例えば受注率を上げようとエースプランナーに接客が集中し、若手スタッフはなかなか成約率が上がらないことなども懸念点になりがちです。もっとも、その優秀なスタッフが退職してしまえば、成約率が一気に落ちてしまうのも課題と言えるでしょう。

重要なのは、エースプランナーに頼り切るのではなく、スキルを平準化できる環境を整えること。その1 つが、来館前のアンケートなのです。アンケートを通じてカップルの情報を事前にキャッチし、「当日はこういう流れで接客を進めよう」という、“作戦会議”を組んだうえで接客に臨むことができれば、それは新規において大きな武器になるはずです。結果として接客ノウハウもチームとして蓄積でき、スキルの平準化、全体的なボトムアップにも繋げられるメリットもあるわけです。

当社システムは、フェア予約の入った段階でメールにてアンケートが飛ぶ仕組み。回答率を上げていくうえでは、送るメールのUI/UXの見直しもポイントです。ボタンの位置1 つを取ってみても、ユーザーにとって目に付くところにきちんとあるのか、またそのボタンを「回答ボタン」とするのか「ご意見をお聞かせください」の表記にするのか。価格重視の比較的若いカップルの多いエリアであれば絵文字なども有効な一方で、ラグジュアリーホテルなどはそれがマイナスになる可能性もありますから、式場の属性などを基に考えていく必要があります。

当社ではこうした地道な取り組みを通じアンケート回答率の向上を目指しており、実際に5 月上旬時点でのA社の回答率は100%を記録。式場スタッフの満足度も非常に高く、当社としても嬉しい限りです。

カップル側の視点で考えてみれば、そこまで手間ではないとはいえ、アンケートに答えるには時間がかかります。回答に基づいた接客を来館時に感じることができれば、それは顧客満足度向上にも繋がってくるはずです。

特定の媒体から予約が入った際には、その媒体に付随したアンケートサービスもあるかと思いますが、それ以外の集客媒体から予約が入った場合、アンケート回収ができていないというケースもあるでしょう。重要なのは、全ての顧客に対してアンケートを送り、回答を得て、きちんと接客に活かし成約に繋げること。媒体の出稿費用も上昇傾向にある今だからこそ、1 組あたりの成約確度を高めていくことがポイントです。来館前アンケートの重要性を、現場はもちろん、経営層も改めて考え直すことが求められているはずです。

 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)