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連載2:≪ChatGPT講座≫他業界での生成AI活用事例と日本の現状【ウィーブ事業運営本部本部長 太田 大資氏】
ChatGPTのブライダルでの活用の可能性を紹介していく連載第2 回のテーマは、他業界の成功事例です。他業界では、どのように活用し、業務効率に繋げているのか。
すでに活用が進んでいるのは、ホテル業界と不動産業界です。ホテル業界では、宿泊前の予約対応のメールなどをAIチャットで対応し、スポットで自動返答できるようにしています。リアルタイムで返信対応できるという点で、わざわざメールをチェックする手間を省き、結果として業務効率化を果たしています。
一方で不動産業界においては、物件の紹介文や間取りを基にした生活イメージの画像などを生成AIに作成してもらって、情報サイトなどで紹介しています。これまでの写真と間取りだけの情報ではなかなかイメージも掴めなかった中、よりリアルな生活の雰囲気をユーザーに知ってもらうことにより、物件情報に対する反響を高めています。
それ以外に、教育業界でも生成AIはフル活用されています。学習塾などでは、生徒の学習レベルもそれぞれ異なります。これまではテストの問題も先生が作成していたのに対し、現在はそれをAIで作成するほか、学習レベルに合わせて出していくことも可能です。また解答についての解説も生成AIが行うことで、先生は指導に集中できるようになっています。
ブライダル業界に近い事例としては、飲食業界での生成AIの活用も期待されています。飲食業界ではレストランのメニューやコースの紹介文をAIで作成。フランス語で書かれていたメニューについても、AIを使って料理内容をわかりやすく伝えることができれば、オーダー数アップに貢献します。それ以外には、SNSへの投稿内容の作成にも活用されています。
こうした事例を見ていくと、AIの活用は高価格帯の業界だけでなく、幅広く進んでいます。人手不足は各業界において大きな課題であり、生成AIが細やかな対応を支援することで、業務効率化をもたらしています。またリアルタイム返信、分かりやすい情報提供によって、顧客満足度向上にも貢献。その点では、生成AIの活用で、ブライダル業界のクオリティ向上にも繋がっていくと考えられます。
とはいえ、日本ではまだまだ黎明期であるのも事実。あるデータでは、アメリカの上位500社のうち92%が生成AI(ChatGPT)を業務に活用しています。アメリカやインドでは、生成AIの利用が一般的になっていて、すでに大学でもレポート作成などに活用されています。
一方日本はどうかというと、帝国データバンクの調査を見てみると、企業における生成AIの活用率は約17.3%。これはまだまだ低い水準です。とは言え、まだ活用している企業が少数だからこそ、先んじて対応していくメリットも考えられるでしょう。
ちなみにChatGPTへのアクセスは10代~20代前半の若年層が多い傾向にあります。今後、新卒として入社する世代は、AI利用が当たり前になっている可能性も注目です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月21日号)