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キーマンに聞く

連載3(前編)《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》若手が基本を学べる環境(ゲスト:賑屋 代表取締役社長 山中扇氏)

連載3(前編)《T&G岩瀬賢治社長のブライダル経営者サロン》若手が基本を学べる環境(ゲスト:賑屋 代表取締役社長 山中扇氏)

 T&G岩瀬賢治社長の対談企画第3回のゲストは、大阪市内でウエディングも受注している、レストランミッテを経営する賑屋(大阪市中央区)の山中扇氏。

同店は口コミランキング上位になるなどWEB集客で実績を残しているが、山中氏のもとには全国のホテル、ゲストハウスから厨房オペレーションの改革に関する相談も舞い込んでいる。厨房の効率化、組織化に苦慮する経営者が多い中で、最適なオペレーションを提案している。ブライダル業界においてアンタッチャブル化しやすい厨房マネジメントをテーマに、前編となる今回は全国60施設以上のT&Gでは、どのように厨房組織を回しているのか。通常営業を実施しているレストランとの違いも含めて、大切にしているものを語りあった。

 

30件の婚礼ケータリング

――T&Gの厨房組織はどのような体制ですか。
岩瀬「グループ全体で360名を社員として抱えています。欠員に対しては、新卒で毎年40名ほど採用するほか、中途で補っています。バンケット数は現状93で、各キッチンの定員は₄ 名前後と少なく感じるでしょうが、週末のバンケットの稼働状況に応じて、店舗間のヘルプで対応しています。どのようなスキルの人が必要かを毎週考えながら、店舗間で若手を中心に流動させているイメージです。組織は、料飲統括部という部署で対応しています。」

山中「ゲストハウスやホテルなど、様々な業態から厨房オペレーションについて質問されることも多いのですが、その基準は各社で本当に異なります。業態をいくつ持っているのか、バンケット数でも違ってきますから。私自身は、どこまでコストを削減し、かつ高いクオリティを保てるのかを考えることが大切とのスタンスで、社員の配置としては2名+調理補助1、2名で回せる厨房の体制やメニューの開発などを提案することが多いですね。少し前までは、7名前後を配置していたケースもありましたが、今はそれも難しい時代。労働時間などの問題も切っては切れない中で、朝から晩までという働き方も出来ません。さらに【料理人】という価値観が大きく変化をしている。こうした変化に企業として対応していかなければならず、本当に難しくなっています。」

 

岩瀬「当社の360名は、50%強が勤続年数2年未満。新卒で採用して、若い時だからこそできる経験、勉強を積んでいる人材です。残りがセカンド、シェフであり、ピラミッド構成で考えると若手人材の50%強がぐるぐる回っているようなイメージです。新卒プロパーでシェフになるのは1年に1人もいないですし、基本は新卒で入ってきてその後に巣立っていきます。そのため、他社の経験者を中途で採用し、マネジメントができるようであればシェフに上げていく。いわゆる二重構造のような仕組みを取っています。」

山中「当社はレストランでもあり、厨房組織は基本7名の配置です。ブライダル専用施設と異なる点として、婚礼だけでなく日々のランチ、ディナーも稼働しており、一般の企業宴会も年間90件ほど受注しています。レストランでの年間150~180件の婚礼料理とは別に、30~40件のブライダル関連のケータリング。さらに一般企業向けのケータリングも多い時には90件受けています。それを考えるとやはり大変ですね。従業員以外に『スタジエ』と呼ばれる研修生や、当社への入社を希望している人材にアルバイトに来てもらっています。年齢層はシェフが40代。ケータリングなどもあるため、T&Gと同様に新卒プロパーのシェフを育てるより、町場のレストランやホテルでスキルを積んできた経験者を重視して採用しています。若手に対しては、まずは3年間頑張ろうという目標を与えています。このまま続けるのか、それともどこかのホテルや店を紹介してほしいのか、3年目になった段階で次のステップを聞くようにしています。もっとも2年目、4年目に辞めていくケースもありますが。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月1日号)