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自宅から参加できる「第三のスタイル」【八芳園 取締役専務 総支配人 井上義則氏】

自宅から参加できる「第三のスタイル」【八芳園 取締役専務 総支配人 井上義則氏】

 東京白金台の名門結婚式場・八芳園(東京都港区)が、デジタル技術を活用した新たなウエディングサービスに挑戦している。高齢のゲストや遠方在住のゲストなど、コロナ禍で招待しにくい列席者が、自宅に居ながら結婚式をライブ映像で楽しみつつ参加できる「LIVING ROOMWEDDING」だ。同サービスならではの演出も取り入れるなど、単なるオンライン配信で終わらないのが「プロデュースカンパニー」八芳園の真骨頂。井上義則専務は、これを機に婚礼列席のハードルを下げて「より多くの人が参加できる結婚式」の確立を目指している。

LIVING ROOM WEDDING

――大変な1年となりました。

井上「近年、大地震や巨大台風などの自然災害が事業リスクになりうることを踏まえて、顧客とのやり取りを含むコミュニケーションをオンライン化するなど、業務にデジタル技術を取り入れる準備を進めていました。今年は結婚式やイベントが開催しにくい状況でしたが、ポジティブに捉えれば、社内体制を見直す契機にもなりましたし、これをきっかけに新たなサービスも企画しました。」

 

――デジタル技術を活用した新サービスとして、自宅に居ながら披露宴に参加できるサービス【 LIVING ROOM WEDDING(リビングルームウエディング)】を始めました。

井上「宴会場とゲストが居る自宅とをオンラインで繋ぎ、ゲストは画面越しに披露宴に参加します。披露宴会場で実際に提供する婚礼料理の一部を自宅へ配送し、ゲストは料理を食べながら披露宴のライブ映像を楽しむことができます。『会場に足を運んで披露宴に参加する』第一のスタイル、『オンラインで披露宴に参加する』第二のスタイルに次ぐ、『会場と相互に繋がり、同じ料理を楽しみながらオンラインで披露宴に参加する』第三のスタイルとして提案しており、サービス

を始めた9月は第一週だけで50食分の婚礼料理を届けました。」

 

――オンライン参加との違いは料理だけですか。

井上「いいえ、オンラインならではの演出も取り入れています。例えば、披露宴当日の開始前には当社の料理長が登場し、料理の温め方や盛り付け方などを伝えています。披露宴中はお色直しで中座する新郎新婦を追跡し、オンラインで参加しているゲストに向けたコメントもライブで配信したりします。リアルの結婚式はもちろん、オンラインの結婚式もプロデュースして同時に進行しています。」

 

――反応も面白かったとか。

井上「参加したゲストからは『芸能人の結婚式のテレビ番組を見ているみたいだった』『中継だからこそ楽しめた』などの声がありました。かつてはテレビの特番で芸能人の結婚式を中継することもありましたが、今では全く見なくなっています。子どもたちが結婚式や花嫁姿に触れる一つの機会でもありました。この時期の結婚式を予定していた新郎新婦は、結婚式を挙げることに躊躇いや迷いを感じていました。特に、高齢のゲストや遠方在住のゲストを招待することを検討していた人たちの悩みにどう応えるかを考えた時に、ただオンラインで中継するだけではなく、自宅にいながら披露宴会場の雰囲気を少しでも体験してもらいたいと。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1、11日号)