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納得を引き出す営業テクニック Vol.1 無理なく相手の『YES』を生むトークスクリプト【ビーハイライト 代表取締役 濱田 大輝氏】
会話の中で同意を積み重ねていく
「なぜかあの人の新規接客は、成約率が高い」、「話す内容は似ているのに、なぜ差が出るの?」と、疑問を感じたことはありませんか?
当社は『人材不足をChanceに変える会社』として、ブライダル営業に特化した業務委託チームを立ち上げて2年半。現在は全国の式場において、新規接客の代行を担っています。今号の連載からは、タイトルも一新。現場で培ったノウハウをもとに、『売れる人だけが知っている、明日から使える営業テクニック』を実例とともに紹介していきます。
第1弾は『YESの積み重ね』という手法です。「営業は説得ではなく、納得をつくる仕事である」とよく言われます。では、納得を自然に引き出すにはどうすればいいのか。そのカギが、会話の中で相手の「YES(=同意)」を積み上げていくことです。
例えば、「お料理って当日参加されるゲストの皆様にとっても大切なポイントですよね」、「この時間、楽しんでいただけていますか?」、「ご試食、お口に合いましたか?」̶̶どれも、無理なくYESが返ってくる質問です。
なぜこの手法が有効なのか。人間には「自分の言動に一貫性を持たせたい」という心理があります。何度もYESを言ってきた相手は、途中でいきなりNOと言うことに無意識に抵抗を感じるものです。その結果、YESの延長線上にある提案やクロージングにも、自然と前向きな姿勢で耳を傾けてくれるようになります。
また、YESのやり取りには、相手の警戒心をほぐす効果もあります。結婚式は高額な商品であるからこそ、「売り込まれている」と感じた瞬間にカップルの心は閉じてしまいます。だからこそ、共感ベースのYESを重ねていくことが、信頼構築と納得の後押しに繋がっていくのです。
まずは、自社の会場で作成されているトークマニュアルを見直してみてください。カップルが思わず「YES」と言いたくなる質問が、どれだけ組み込まれているでしょうか。もし少ないと感じるようであれば、明日から“YESを引き出す設計”を意識してみるだけで、成約結果は変わってきます。ぜひ明日の接客で、まずは3つのYESを引き出してみてください。その小さなYESが、大きな信頼と成約を引き寄せてくれるはずです。
次回は『カチッサー効果』についてお届けします。なぜ「~なので」と言われるとつい受け入れてしまうのか、行動心理の裏にある“自動反応”の仕組みを、営業にどう活かすかを紐解いていきたいと思います。どうぞお楽しみに。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1・11日合併号)

