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第5回《気持ちを高める新規の台本》新郎新婦の要望を叶える館内案内の戦略【KAKEHASHI 代表取締役 寺田英史氏】
今回は、館内案内の戦略立てです。最近、ヒアリングと館内案内が分離しているケースを多く見受けられます。せっかくヒアリングで情報収集をしたのに、館内案内で活かしきれていない。これをつなぎ合わせていくのも、コントローラーの大切な役割となります。
プランナーは、ヒアリングでコミュニケーションをとり距離を縮め、そこから館内案内で自社の魅力を必死に伝えようと考えます。新郎新婦の反応は決して悪くなく、それなりにリアクションもあって気に入ってくれていると思い、いざクロージングに入るものの決まらないということもあるでしょう。具体的なイメージを持たせられず、この会場でという欲望になっていないからです。
コントローラーにとって大切なポイントは、ヒアリングと館内案内の連続性。まずはヒアリングで新郎新婦から出てきた言葉をしっかりと押さえておきます。その際に、プランナーの持った印象や感想は聞かず、あくまでも新郎新婦がどんな言葉を言ったのか事実のみを確認します。例えば、ゲストといっぱい写真を撮りたい、自分たちは結婚式をそれほど考えていなかったが両親から言われてしようと思ったなど。新郎新婦の想いや要望を表している言葉を確認することによって、それに基づいて館内案内の戦略を伝えます、
具体的には、館内案内の台本は基本的には変えない。ただしニーズを無視して伝えるのではなく、ニーズを前提におくように指示。ゲストと写真を撮りたいという要望であれば、仮にガーデンを案内する際にも、たくさん写真を撮れる場所ですという前置きをしたうえで、台本に書かれている魅力を伝えるようプランナーに伝えます。これにより、新郎新婦に対して自分たちの要望が手に入る案内となり、当日を連想させられるようにもなります。
また、台本のプラスアルファは提案。披露宴会場であれば、この場所にフォトブースを設置する花嫁も多いですなど、ニーズにマッチする提案内容をプランナーに事前に指示しておきます。大切なことは、要望に対してプレゼンの漏れがないようにすること。せっかく2 人の要望を叶えられるのに、伝え忘れればもったいない話で、さらにその後のクロージングにも関わります。
もう一つは、館内案内で競合他社との比較、追い越しをプランナーに教えておくこと。ヒアリングで聞いた要望を基に、競合のA社、B社を比較して勝てる場所はどこなのかを分析。どこで追い越すのか、つまり差別化のイメージをすり合わせします。特に新人に関して、自らではこうした戦略立てが出来ていないケースも多いことから、ここを明確にしてあげるだけで目的をもって安心して館内案内に向かえます。
戦術的には、競合先との比較を意識して、館内案内のルートを変えることもあります。勝てる部分を先に見せて印象付ける方法です。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1、11日号)

