LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

第4回《ブライダル業界のブランディング入門》ルールブック作成、イメージの統一を【グロウ・リパブリック 代表取締役 宮村岳志氏】

第4回《ブライダル業界のブランディング入門》ルールブック作成、イメージの統一を【グロウ・リパブリック 代表取締役 宮村岳志氏】

ブランディングを進めていく上で、情報収集、開発フェーズを経て、3 段階目の具体化フェーズに入っていきます。 具体化フェーズでは、BI(ルールブック)を作成していきます。ブランドを重視している企業では、明確にルールを記載したガイドブックを制作しています。そこにはロゴについても統一されたイメージを保つために、変形やアウトライン、シャドーの設定等の禁止例を提示。使用していいロゴ、カラーバリエーションも誰もが分かるように決定しています。つまりこのガイドブックにより、統一感のあるプランニングができるようになっています。

 

これがなぜ必要なのか。例えばコンビニエンスストアを訪れた顧客は、目的の商品以外を購入する場合、1 秒以内で購入するかしないを判断します。つまり、ブランドが記憶に想起されていないことには選ばれないわけです。そこで、五感に響くように統一感を持たせて、接点を増やすことが求められ、そのためにルールブックや規定を作っていくわけです。

もちろんルールはブランドのイメージと連動しているため、ルール以外のことをしてはいけません。また従業員もルールを意識して就業することで、ブランドのイメージを醸し出していくことができます。

ルールブックによってブランドの世界観を規定した後に、ウェブサイト、パンフレット、制服など様々な要素に反映していきます。ここには、従業員の挨拶の言葉や音、匂いといったことも含まれます。例えば、ラグジュアリーな空間の式場に新規来館した際、男性アイドルグループの楽曲が流れていたらイメージが統一できません。五感で感じる部分に関して、一気通貫でイメージを統一していきます。

具体化フェーズでは、デザインも含まれますが、基本的にデザインは問題解決を目的としています。デザインフローは、「悩み」を発見し「整理」し、「デザイン」することで、表装することだけをデザインとは言いません。分かりやすくウエディング会場で言うと、例えばウェブサイトだけでは全然新規来館がないといった悩みがあるとします。その理由を考えると、顧客と従業員の会場イメージがマッチしていない。それを前提にして、どういったデザインに変えなければならないのかを分析します。つまりデザインによって、新規来館がないという悩みを解決していきます。

 

また、戦略(理性)とデザイン(感性)の関係性も重要です。顧客は感覚でサービスを受け取るため、料理の味や内装の印象を分析して判断しているわけではありません。客観的に見て印象の良いサービスでも、顧客の感性に響くかどうかが問われます。どれだけ良いデザインを考えても顧客の感覚に響かないこともあり、このバランスを考えながらデザインに落とし込まなければなりません。

さらにブランディングを組織にいかに落とし込んでいくことも必要です。よくある組織の問題として、リレー方式があります。戦略、デザイン、社内、プロモーションの順番で企画や情報が伝達されるこうした組織では、伝言ゲームのように本来の趣旨や目的が変化して伝わります。トップの意思がデザインに落とし込まれず、社内に統一して伝わらないためプロモーションにも生かせないという例が多々見られます。その点スクラム方式をとることにより、戦略デザインには社内プロモーションを一気通貫で回していく役割が求められるのです。

現代はAttention(注目)面白そうな商品を見る、Interest(興味)商品に興味を持つ、Search(検索)ネットなどで検索し情報収集する、Action(購買)実際に買って体験する、Share(共有)購入した商品の評判を購入者自ら発信するというAISASによって、新たな消費者が商品を発見することに繋がっていきます。この心理を踏まえていくと、商品に共感しシェアしたくなるブランディングが必要となります。均一性を意識した商品は誰もが所有しているため、共有したいとは感じません。個性的でありふれていない商品に興味が集まる時代になっているわけです。だからこそ、ウエディングのサービスにもブランディングを取り入れていかないと、情報は拡散されずに勝つことは難しくなります。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1、11日号)