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第10回〔業務を効率化! 成功事例〕成約率は来館時に決まっている? 事前のファン化で優先順位をUP【パプレア 代表取締役 峰崎 揚右氏】
「コントローラーが誰をアサインするかで決定率が変わる」のは通説ですし、実際もそうでしょう。ただし、それは現場でコントロールできる範囲であり、会場としてのポテンシャルの中での成約率の変動でしかないのです。
一般的に3〜5件のフェア参加が基本ということは、結婚式を挙げたい優先順位がある程度決まった状態で、来館しているということになります。それが会場のポテンシャルです。つまり、現場でできることは優先順位を覆すほどの「心が揺れる感動」を、来館接客時に伝え、即決させることになるのです。
とはいえ、新規接客担当者の調子の波もありますし、新郎新婦との相性も関係します。要するに、コントロールできない領域が必ず存在するのです。だとしたら、フェア予約された会場の中での優先順位を『事前に変えておく』ことが、成約率を上げておくことのできる手段になるのです。それが『顧客教育』です。
その手前のフェア予約の件数を増やすためにどうするか?については、今回の連載とは少し離れますが、端的に説明すると、「新郎新婦が比較する会場に勝てばいい」ということです。基本的にカップルは、①ロケーション、②ホテル/ゲストハウス形式の2軸で、希望する中から検索&比較検討。つまりは、比較される対象の会場の打ち出し方に勝る打ち出し方を、考えればいいということです。
そこがフェアタイトル・本文・キラー写真の重要さになります。ですので、ベンチマークになる会場と必ず比較し、打ち出し方を修正してください。うまくいっている会場ほど、そこを追求、修正改善を常に行っています。同じフェアタイトルでマンネリ化した打ち出し方しかできていないのに、「来館件数が集まらない」という方は、ぜひ1度見直しをしてください。
話を戻しましょう。フェア予約された会場の中から優先順位を上げるために行えることは単純で、追加情報を伝えること。そのやり方の1つが、これまでの連載でもお伝えしてきた『シナリオメール配信』です。人はストーリーに弱いということをご存知でしょうか。どんな映画でもドラマでもストーリー展開は“ほぼ同じ”。そこは説明しませんが、ストーリーで伝えられると心が動きます。心が動けば優先順位も必然的に上がりますので、メールの内容にはこれまで媒体に出していない内容を、追加で提供することが重要。これまで考えていた会場魅力を超える魅力を追加し、何度も伝えていきます。そうすることで、顧客接点の増加も相まって、新郎新婦の『ファン化』が進むのです。
結果として、新規接客時には他施設よりも高い成約率のポテンシャルを持つ会場になることができます。とある会場でこの取り組みを実施したところ、成約率が10ポイントアップし、50%を超えました。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月21日号)