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第1回《集客UPの成功&失敗例から読み解く》新たな撮影の理由を明確にして対応【ベック ミッテ事業部 山中扇氏】

第1回《集客UPの成功&失敗例から読み解く》新たな撮影の理由を明確にして対応【ベック ミッテ事業部 山中扇氏】

過去のビジュアルデータをストックし撮影会社に共有
 7月より新しく連載を担当させてもらうことなりました、株式会社ベックミッテ事業部の山中扇です。各テーマに沿って集客の成功実例、そして失敗実例も紹介しながら、少しでもブライダル各社の参考になるように進めていきますので一年間よろしくお願いします。

第一回目のテーマは“撮影”
各ブライダル施設にとってビジュアル撮影は集客上非常に大切な要素の一つです。もっとも近年では動画を含めた撮影が必須になってきていて、非常にコストもかかりその分失敗は許されません。今から秋にかけて“映える”季節であり、撮影期間は続きます。その点では、現在撮影準備にとりかかっている会場も多いと思いますので、今回は失敗しないためのポイントをいくつか紹介していきたいと思います。
まずは撮影に関するスタート地点に立った時、または立つ前の確認事項として、下記3 つの項目をチェックしてみてください。

①なぜ撮影するのか理由をはっきりさせる
撮影する理由を尋ねると「会社の周期で決まっているから」、「ここ数年撮影をしていないから」、「モデルの版権が切れるから」といった答えが出てきます。ただそうした声はどれも理由としては曖昧なものであり、撮影する本来の理由にはなっていません。まず重視しないといけないのは数値のチェックです。
●ゼクシィレポート基本TOPの流入数UP
●フォトギャラリー閲覧数
●エンゲージメント時間
●自社HP分析でハード面の閲覧数
●インスタグラムはじめその他SNS数値流入数
上記の数値を上げることが撮影の理由と言えます。逆に言えば、ここの数値が取れているならば、仮に版権が切れていても延長すればいいわけで、新しいビジュアル撮影は必要ないとも考えられます。

②撮影後のビジュアル使用用途と展開を必ず決めておく
撮影会社が提案してくれる内容は【いい写真をどう撮るか】です。一方で会場側は【いい数値をどう撮るか】となります。
カッコいい写真、かわいい写真、雰囲気のいい写真を撮るのがゴールではなく、集客関連数字、装飾提案単価を上げることがゴールとなり、そのためには撮影後のビジュアル展開をイメージし、それを撮影会社にはっきり伝えた上で提案してもらうことが重要です。アングルやフラワーなどの指定を会場からいきなりするのではなく、撮影後のアクション展開やその写真をどこで使用したいのか。それを踏まえると、以下の項目は必須となり、撮影会社に対して先に伝えるようにしましょう。
●HPトップからのスクロールしていく写真の展開、ストーリーをどうするか
●ゼクシィnetの写真展開
●フォトギャラリーの展開
●接客ツールとしてどう展開し、どういうビジュアルが欲しいのか

③過去のビジュアルデータ数値を振り返る
撮影する理由にも関連している項目として、これから未来の撮影をする前に過去のビジュアルで出た数値をしっかりと振り返りましょう。コロナ前、コロナ後、現在、今まで使っていたビジュアルでどれが良くて悪かったのか。本来大切なこの撮影前の振り返りですが、実際に行っている会場は、私の経験上ほとんどありません。
過去のゼクシィのフィードバックやHPデータをそもそも残している会場も少ないため、その点ではかなりの金額をかけている広告商材の大切な分析データとして、これからは残しておくことも必要になります。
実際にこの先撮影アクションに入る前には、上記①のデータを振り返らなければならず、必ずそれを頭に入れて撮影するようにしていきます。そうでないと担当者の「こんな写真がほしい」、「あんな写真がいいと思う」など、気分やイメージ優先で、数値の効果とはあまりにもかけ離れたリクエストになってしまう可能性が高まってしまいます。
以上のことを注意しながら進めることで、必ず有効な撮影が行えるはずです。次回はこの内容を踏襲し、撮影を行った結果、実際にどういうデータが数値として出たのか、会場の実例を紹介していきます。数値分析の上で撮影をすれば、当然効果も高まっていきます。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月1日号)