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毎月連載:第5回:《集客UPの方程式》ゼクシィの価格改定で加速する出稿量の二極化②【ベック(ミッテ) 取締役 大前友美氏】

毎月連載:第5回:《集客UPの方程式》ゼクシィの価格改定で加速する出稿量の二極化②【ベック(ミッテ) 取締役 大前友美氏】

前回に引き続き、2 月からのゼクシィ価格改定以降に起こったことの経過のおさらいと現状の傾向を見ていきます。前回紹介した夏までの流れを振り返ります。

 

2 月23日発売ゼクシイ価格改定がスタート

3 来館数への大きな影響なし

4 市場でのカスタマーの動きが著しく鈍化

5 エリアによっては前月と同じ状況に

6 市場は昨対から見て大きな変化感なし

4 月、5 月で市場のカスタマーの動きが大きく鈍化し、その傾向は6 月まで続いたことを指摘しました。それを受けて、夏以降どのような動きになっていったのか。

夏( 7 ~ 8 月月間)出稿を増やす企業が出たものの、市場は変わらず鈍化し負のスパイラルに

4 ~ 6 月の苦戦を受け、大手や広告予算の融通の利く企業が、成約に必要な来館数を賄おうと、夏場に軒並み出稿を増やす動きも出てきました。例えば大阪府で4 ページ以上出稿していた会場の数を見ると、5 月発売19軒 6月発売22軒 7 月発売26軒 8 月発売26軒と夏場に増えています。

そうなると、ネットのみ、出稿量縮小派、もともと出稿量の少ない会場は、掲載数の多い会場にゼクシィネット上での認知と流入を刈り取られ、従来通りの対応をしていても集客は下がりました。では、出稿量にアクセルをかけた企業が期待の成果を得られたかというとそれも難しく、4 月と同様の市場の鈍化によって、出稿を増やしたのに集客出来ていないという状況になりました。特に7 月は、昨対比、70%台のところも多く、全国的に大変な一ヵ月だったと言えます。

こうした流れを受けて、ゼクシィ改定以降の状況を【現在の会場集客トレンド3 階層】、【今年の見学回遊数トレンド3 階層】に分類したのが、右記の表になります。どの階層に所属するかによって、2025年の年始以降にも大きく影響することが考えられます。この階層も踏まえながら、今後の動きを予想していきます。

 

  • 今夏のような出稿量格差が継続し、来年以降も続く。
  • 見学回遊数トレンド3 階層は継続し、今年の20%減からさらに20%減になる。
  • 自社がBまたはCの掛け合わせの場合は要注意!(Bグループ×Bエリア、Bグループ×Cエリア、Cグループ×Bエリア、Cグループ×Cエリア)年始が厳しい。

仮に集客が減少していたとしても、Aグループ、Aエリアであればコンディションはマシな方だと言えます。特に出稿量に関しては、今年一年の集客減を取り戻そうと、12月発売号ではさらに増やすという決断をする会場も多くなると見ています。ただ、増やしたものの、どこまで期待通りの結果に結びつくかは難しいのではと思われます。また出稿量を増やす会場が多いほど、出稿量を変えない、もともと少ない会場にユーザーが辿り着く可能性はどんどん低くなっていきます。ゼクシィでの認知力が低下すれば、自社集客もそれに引っ張られ減少してしまいます。

 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)