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キーマンに聞く

新連載:《会場の業績アップ事例》強みを言語化して集客・成約に繋げる【ニューバリューフロンティア 執行役員 森房 知史氏】
今号から一年間にわたり、当社の手掛けてきたコンサル事例を基に、どのように会場の復活をサポートしているかを紹介していきます。第1 回は【マーケティングの基礎講座】。中国地方のゲストハウスで、オーナーチェンジを機にサポートをスタートしました。施設の規模は1 チャペル2 バンケットで、オーナーチェンジ前の施行は年間わずか50組しかありませんでした。
まず初めに、自分たちの強みを棚卸し、エリアでのポジショニングを明確化していきました。マーケットのリーダー、チャレンジャーに対し、それを真似るフォロワーのポジションでいても、勝つことはできません。
当社のコンサルタントと式場のメンバー全員で、マーケティングセッションを実施。3 C、4 P分析などを進めていき、ニッチャーのポジションを取るためにペルソナを決めていきました。自分たちらしい顧客の明確化です。
今まで来館していた人、受注出来た人の傾向を踏まえながら、年齢・住所・家族構成・職業を始め、細かなペルソナを設定。競合会場に対する自分たちの立ち位置、簡単に言うと勝ちポイントを探り出し、ポジショニングマップでもニッチャーに移行しました。
具体的な勝ちポイントとしては、まずヨーロッパから移築してきた本物の大聖堂があること。さらに歴史のある式場であるため、親子2 代での結婚式も。3 つ目は、必ず全ての結婚式当日に、スタッフ全員で新郎新婦にサプライズを提供するなど、つまりスタッフ力も武器になっていました。
スタッフによるサプライズは以前から当たり前に実施してきたことですが、残念ながら戦略的に集客、成約に繋がっていませんでした。こうした強みをキチンと言語化することで、そこに光を当て一つの武器として磨いていきます。
この強み分析から、集客・成約に繋がっていくように落とし込んでいきます。例えばその会場では結婚式1 ヵ月前に牧師と対面、1週間前には夫婦の想いを確かめる意味も含め挙式リハーサルも実施。披露宴の前に45分間のウェルカムパーティーを設け、ゲストの心の温度を高めていました。
こうした特徴を表現するため、5 月に撮影を予定しています。スタッフ全員が結婚式に関わるところが「らしさ」であるのに、そうしたイメージを連想させる写真も少なかったため、そこを補っていきます。こうした取り組みで、初月から効果は出始め、集客は前年対比で150%にまで高まっています。
≪今回のワンポイント≫
『強み出しだけで終わるな。顧客の視点で強みを価値に変えて差別化を図る。』
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月21日号)