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接客議事録・要約の機能 アウトプットも大幅短縮【ウエディングパーク バリューデベロップメント本部 本部長 小笠真也氏】
2016年に社内に研究機関の『Wedding Park AI Lab』を立ち上げ、ブライダルにおけるAI活用の可能性を検証しながら様々な関連サービスを提供しているウエディングパーク(東京都港区)。2016年には沖縄リゾートウエディングを検討しているカップルに向け、24時間質問に対応する【沖縄AIチャットコンシェルジュ (β版)】をリリース。昨年は生成AIを活用したサービスとして、動画レポートコンテンツ【ムビレポ】内に新機能を追加、さらに【survox(サーヴォックス)】においては接客シーンの議事録、要約機能を新たにリリースした。
「【survox】は顧客体験価値を高めようというサービスで、顧客の声を回収し統計化していく機能としてスタートしました。顧客の声に向き合うという点で、結婚式場の各シーンに置きかえると、もっとリアルな声を聞けるのではないかという課題もありました。そこで新規接客、打合せ接客を見える化していく目的で、生成AIを活用した議事録・要約機能を追加。接客シーンを録音し、話者分離をした状態でアウトプットします。2 時間~ 4 時間の会話でも、決定事項、宿題事項などに要約できます。」(バリューデベロップメント本部本部長・小笠真也氏)
議事録作成は、2 時間の打合せに対し平均で10分~15分後にアウトプットされる。当初は技術の問題から4 、50分かかっていたものの、リリース時点で時間も大幅に短縮。またプロンプトのチューニングを、同社のスタッフが対応。会場によってアウトプットしたい要約のポイントも異なり、さらに結婚式準備の打合せ前にカップルを知るための接客の機会を設けている会場もあることから、各社に合わせて順次チューニングをしている。
「ブライダル業界では、生成AIに触れる機会がないという話もあり、まずは各企業に活用してもらうことを重視した先行投資の意味でも安価に設定。接客内容を録音するデバイスは、各会場で用意してもらう形です。今後、AIに接客データが蓄積されていけば、当社として提供できる価値もさらに高まっていくでしょう。」(小笠氏)
【ムビレポ】は、結婚式当日の動画を新郎新婦が投稿するコンテンツで、約2 年前から展開している。動画を投稿してもらうと、映像の最初の部分にサムネイルを表示する仕組みになっているが、その表示次第で興味を沸かせることもあれば、逆に見る側にとっては何の動画なのか分からないものもあった。そこで生成AIを活用することで、動画の見どころを抽出し、サムネイル・タイトルを生成できるようにした。
同社は自社内でもAIを活用。【survox】の録音機能は全営業スタッフが以前から使用しており、社内で使えると実証できたことにより結婚式場向け商品としてリリースした経緯もある。具体的な例として、営業先訪問後の活動履歴の入力。以前は自身で内容を打ち込んでいたものの、現在はその手間がなくなった。また、要約からは次に取るべきアクションも明確になるため、スタッフの情報整理に繋がっているという。社内でのノウハウ蓄積により、新サービス誕生の土台となっている。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)