LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

延期規定を別紙で補足する【リフト法律事務所 代表弁護士 川村 勝之氏】
感染者数が増減し、不安が解消されない以上、今後も新郎新婦は結婚式開催のタイミングを悩み続ける。それに対し企業側が、キャンセルや延期対応をどこまで緩和し続けられるか。コロナ禍から1年が経過している今、改めてその規定の見直しが必要ではないか。リフト法律事務所(千葉県千葉市)の代表弁護士・川村勝之氏は、少なくとも延期だけでも、時限的でもいいから規定を設けるべきではないかと指摘する。今こそ知っておくべき知識とは。
感染症対策のアピールを
――緊急事態宣言が再発令されてから、ブライダル会場では再度の延期・キャンセル対応を余儀なくされています。その対応をどのように考えていますか。
川村「大前提としては、規定通りにキャンセル料金などを請求できるわけですが、それを行使するか、どういう形で対応するかは事業者の判断になります。ただ、規定が従前のままというのは、今後も踏まえれば検討すべきだと思います。そもそもキャンセル規定は、感染症をはじめ天変地異を想定していません。そこに顧客と事業者の意思の齟齬が発生します。イメージを共有するためにも、早めに整えるべきかと。具体的には、別紙、説明文書などを用意しておく。規約そのものを変えるのは難しいでしょうから、不動産でいうところの重要事項説明書などのような別紙を作成し、コロナ禍においての対応についてあらかじめ同意を得ておく。これは時限的な内容も可能ですから、明確な期間なども記しておくことでトラブルを回避するのも1 つの方法でしょう。」
――別紙で規定する際に、留意すべきポイントとは。
川村「2 点あります。一つは、延期の関係の規定は違う定めとして対応する。現状は、延期をする場合キャンセルとみなされますが、延期を意図的に事業者側でもよしとするならば、別の扱いにしてもいいのでは。その場合、1 回目は無料、2 回目に実費でこの費用が掛かるといったことを明記する。これまでマチマチの対応をしていた企業もあったでしょうが、まずはここを整備したらどうかと考えます。顧客側が延期イコールキャンセルという理解をしていないため、そこでもイメージギャップになっていますから。延期なのにキャンセル料と同じ金額を取られることに理解がない人もいるため、別規定があったほうが明確になります。」
川村「もう1 つは、感染症対策のアピールを説明などに加えていくこと。不安感のある顧客をケアする意味でも、式場側でやっている対策は積極的に入れていくべきです。コロナと書くかどうかは別にして、感染症に関しての対策は行政、業界団体の一般的な基準にする、式場として具体的にこうした安全配慮の規定をしていますなど。式場でクラスターが起こった場合に法律的責任がありうるからこそ、感染対策をお互いに約束しておくことで双方にとってもリスクヘッジとなります。式場側が断りたいケースもあるでしょうから。例えば列席者を検温した上で、37.5度以上の人は入場をお断りするなど。お祝いの席なので無理をする人も想定されるからこそ、お互いに安全の確保を約束しておくことをおススメします。」
――本来の規定と別紙で、内容が相反してしまう可能性はないでしょうか。
川村「相反する場合には、新しいものを優先するという文言を入れることで対処できます。ただ、別紙を作るにしてもなるべくは整合性がとれるように。またどんな説明を入れておくべきかなどは、我々のような専門家への相談を検討してもいいのでは。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)

