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在庫を工場で販売しフードロスを解消【オリジナルあい 代表取締役社長 纐纈暁久氏】

在庫を工場で販売しフードロスを解消【オリジナルあい 代表取締役社長 纐纈暁久氏】

 コロナ禍で大きな打撃を受けた2020年のブライダル業界であるが、未曽有の非常事態に何をやってきたのかがこれからの生き残りの原動力になるだろう。ギフト会社のオリジナルあい(愛知県一宮市)もまた、売上は前年対比で半減したものの、経営のスリム化と共に、様々な動きを見せてきた。特にコロナ禍にあっても大きな財産となったのが、地域との繋がりだ。倉庫での在庫品販売などを展開してきた纐纈暁久社長に、未来に向けたこれまでの動きを聞いた。

――昨年のコロナの影響は。
纐纈「春にはブライダルの売上が前年比3%にまでなり、いつ終わるか分からない状態でした。5月に希望退職も募り、従業員を4分の1に削減。増産体制のために、各地に点在していた工場を集約しようと2400坪の土地を買っていたのですが、それも諦めました。タイミングが違えれば、20億円を使っていたわけで、今ごろ返済で苦しくなっていたでしょう。」

纐纈「現在は回復も半分程度で、緊急事態宣言によってまた25%程度になるといった状況です。とは言え、会社としては今年の6月決算では黒字で終わる見込みです。2019年度の38億円から昨年は45億円を目指していましたが、結果として32億円に。今年は昨年の半分以下の15億円程度の着地ですが、コスト負担を軽減させたことにより赤字を回避しました。」

 

――そうした中でも、5月にはオリジナルウエディングプロデュース、会場紹介サロンのTIARAをオープンしました。
纐纈「実は昨年3月、栄にオープンするためサロンの工事も始めていたのですが、途中で一旦撤退しました。今年になってギフト以外の対応も必要だろうと検討し、改めてサロンをオープンしました。現在はトヨタ博物館、リニア・鉄道館、名古屋城のほか、無人島、バーベキュー場、アスレチック施設など合計7ヵ所のオリジナルウエディングをプロデュースしています。ただ、友達を呼んで開催したとしても、結局は結婚式場がいいとなるでしょうから、同時に会場送客の提携も進めています。提携先は、東海3県で40会場になりました。オリジナル結婚式を一つの武器に結婚式は面白そうだと思ってもらい、それをきっかけに式場に送客をしていくという流れです。オリジナルのプロデュース自体は、年間でも10件~20件程度と考えています。現在は東海3県からスタートし、どういうところと繋がるか、どう集客していくかを模索しています。」

 

――toCへのアプローチも進めていくようですが。
纐纈「これまではほとんど着手してきませんでしたが、今後は雑誌のお取り寄せグルメなどとの連携も含め市場開拓を進めていきます。そのために商品ラインナップの差別化も図り、30軒の生産者を回って全部と契約してくるといった営業もしています。大変ではありますが、魅力的な商品で消費者に受け入れてもらい、それが引出物にもいい影響を与えればと。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)