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ツヴァイ買収で式場送客増【IBJウエディング 代表取締役社長 中本哲宏氏】
婚活最大手のIBJ(東京都新宿区)は3月11日、イオングループの婚活企業ツヴァイの公開買付けを発表。4月25日、買付け予定数の下限以上であった結果を受け、連結子会社としてツヴァイをグループの傘下に収めた。これによりIBJグループの売上規模は、昨年度の実績を合わせると130億円に達し、婚活最大手の地位を盤石にしている。また婚活会員規模に関しても、IBJ加盟店、グループ合わせて9万人となり、これは次いで多い同業他社に比べて2倍近い数となっている。近年は経営不振に見舞われていたツヴァイを買収した理由はどこにあるのか。IBJの代表取締役副社長であり、ツヴァイの新社長に就任した中本哲宏氏にインタビュー。そこには、現在IBJが進めている結婚式場、ジュエリーなどへの送客に関して、大きなメリットが生み出されていくシナリオがある。
――今回のツヴァイ買収に至った要因とは。
中本「第一に、婚活企業の中では37年と老舗の企業であり、業界の中でもトップブランドでありました。近年は業績も厳しい状況であったとは言え、2 万名の会員数がいます。この会員規模はIBJグループ全体のマッチングの機会を高めることになり、結果として多くの成婚者を生み出すことが可能となるわけです。また、IBJ直営では大都市圏に限られていた相談カウンターについても、ツヴァイは全国50ヵ所に展開しています。一から拠点を作るとなれば、スタッフ確保やマーケティングコスト負担など様々な壁があります。それが全国規模で獲得できるというのは、最大のメリットでした。」
――今後はツヴァイの経営再建を担っていきます。
中本「結婚相談所の種類として、紹介型と検索型があります。ツヴァイが採用していた紹介型は、希望条件・価値観などに基づきデータマッチングし、双方に情報を送るもの。会員規模が多い企業だからこそできるもので、各種条件に合わせていることでカップル率も高まります。一方IBJは、会員自らが自分の希望条件にあった相手を検索していく、検索型を採用しています。自ら探すという婚活に積極的な人に相性がいいタイプです。ブランドもあるツヴァイに関しては、社名も会社もそのまま残し、従来の紹介型を継続。それ以外に検索型を望む会員には、IBJのシステムにも登録できるようにします。これにより、会員のマッチングの可能性もさらに高まります。」
中本「もともと仕組みとブランドが確立されていた半面、なかなかイノベーションができなかったのも事実です。例えば、入会希望者を募るためのプロモーション、来店者にサービスを説明して入会に導くセールスメソッド。商品に関しても入会金や会費が紹介人数に応じて変わるなど複雑であったものを、シンプルに統一することで分かりやすくなります。各種ツールの制作やマーケティング、システム、店舗リニューアルも含めて、IBJが作り上げてきた専業としてのノウハウを入れ込んでいくことで、業績、会員数含めてV字回復を図ります。」
――最大の魅力とも語っている、ツヴァイの全国50ヵ所の相談カウンターですが、マッチングを一気に増やすことも可能との考えですが。
中本「直営店舗に関しては、地域におけるHUB(ハブ)相談所としての役割があります。IBJグループは、日本全国の加盟店とネットワークで繋がっています。結婚相談所の会員は、やはり近隣県の中から選ぼうという考えも強いのですが、IBJ及びグループの一角であるサンマリエが直営店を展開しているエリアであれば、会員規模も確保でき、実際に直営=加盟店間のマッチングが多いわけです。一方、直営を展開していないエリアは、加盟店間が中心となり、なかなかマッチングできないという課題もありました。その点、ツヴァイが展開する全国50ヵ所の直営店舗がグループになることで、直営=加盟店のマッチングの可能性も飛躍的に向上していきます。」
――現在IBJが展開している、結婚式場やジュエリーへの送客ビジネスにも大きく関連してきます。
中本「IBJグループでの成婚、そこからIBJウエディングの展開しているウエディングナビを通じた結婚式場送客は、昨年だけで年間1000組となっています。IBJとしては、ジュエリー、式場のみならず、保険や旅行なども取り扱い、婚活カップルに対して提案していくフローを作り上げています。もっとも、こうした送客に関しては、やはり直営店の方が率も高い。直営であれば送客につなげるための、ノウハウも浸透させることができます。それを考えた場合、IBJ、サンマリエの直営会員数はこれまで1 万人。ツヴァイの2 万名が加わることで、母数が一気に3 倍となります。ツヴァイの直営店にも送客フローを注入することで、より全国規模でブライダルへの送客が活性化していきます。」
――ブライダルへの送客について左右してくるのが、結婚相談所の成婚の定義と以前語っていました。IBJのようにプロポーズが成功し、お互いが結婚するとの意思を確認した場合を成婚とすれば、その後の送客も可能となる。一方、マッチングの成功を成婚の定義とした場合は、そもそも成婚退会後に別れてしまっている可能性もあり、なかなか結婚式場を薦めることも難しい。
中本「成婚の定義に関しては、ツヴァイも同じです。ただ、お見合いからプロポーズまでのプロセスの管理がなされていないため、どのカップルがどのタイミングでプロポーズをするのかも把握できていませんでした。この部分をフォローしなければ、成婚のタイミングも分からず、ジュエリーや結婚式のアプローチも難しい。これは、IBJで対応してきたやり方を適用していきます。」
――ツヴァイは、式場送客事業のイオンウエディングも展開してきました。この対応は。
中本「IBJウエディングで展開している、ウエディングナビに統合していきます。相談所からウエディングへの位置づけを明確にして、名称も変更します。イオンウエディングは、地方の衣裳店と提携しているケースもあります。この提携モデルについては、逆にウエディングナビでも推進していく予定です。ツヴァイの直営相談所によって、全国での式場送客が増えていきます。成婚カップルに対して、対面でのブライダル送客の営業を、ウエディングナビブランドで共同事業として提携先に展開してもらう。対象となる事業者に関しては、衣裳店でもいいですし、会場でも構いません。各エリアですでに結婚式場紹介の情報メディアを持っている企業とのコラボも視野に入れています。ツヴァイの買収によって、婚活からブライダルへの流れが、全国各地で生じてくるため、それに対応するウエディングナビ事業も積極化していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1-21日号)

