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ウエディングのイノベーションへの挑戦は止めず【グッドラック・コーポレーション 代表取締役社長 堀田和宣氏】

ウエディングのイノベーションへの挑戦は止めず【グッドラック・コーポレーション 代表取締役社長 堀田和宣氏】

他社を意識することなく

――2019年度は減収減益だったものの、今後に向けた様々な準備を進めた1年でした。

堀田「その一つの要因が、海外の展開による販管費の増大です。国内のリゾートマーケットは、天井も頭うちで、より成長していくためには海外から海外のリゾートウエディングが必要だと事業を進めました。そのために、海外の販売拠点も一気に増強しました。当然拠点作りにはコストもかかりますし、販管費が増えていったわけです。もう一つが、企業として今一度原点を見つめ、その振り戻しのために費やした一年だったことで、刈り取りなどが思うようにいかなかったことです。もともとアールイズ・ウエディングの特徴は、リゾートの中でもアッパー層の利用が多く、丁寧な対応といった評価がありました。それによって成長してきたわけですが、2019年以前の数年間は、リゾートウエディング市場の競争にいつの間にか巻き込まれ、どうしても他社を追いかける、気にしてしまう意識が高まり、本来大切な原点を失っていました。2018年終わりから、まずは競争に勝つといった他を意識するような発想を変え、もう一度大切な部分に立ち返ろうと。例えばHPなどでも、それ以前は割引プランなどをトップに掲げていたわけですが、自分たちのスタイルをしっかりと定義していくことが大切だと。2019年夏からはCMも開始しましたが、それ以前の発想であればお得なウエディングという価格訴求を第一に掲げていたかもしれません。ただ、大切な部分に立ち返るという意味でも、愛するみんなと過ごすリゾートウエディングという部分を世の中に伝えていきました。社内外における、アールイズのイメージを再構築していった1 年であり、その過程で国内のサロンも増強しましたが、成果が出るまでにはタイムラグもあり、2019年は厳しい数字となりました。その効果が出始めたのが2020年で、実際に2月のバレンタインデーまでは、昨年対比、120%以上で推移するなど、受注、施行ともに復調していたのです。その矢先に、新型コロナの影響を受けました。」

 

――コロナの影響による危機感を、堀田社長自身早い段階で持っていたそうですが。

堀田「中国に販売拠点を持っていたのですが、1 月から止まってしまいました。早い段階で厳しい状況を想定し、すでに2月には2019年に開設したばかりの中国の上海、北京の販売拠点を事業ごと整理しました。1年間投資してきたわけですから、それをすぐに撤退というのは悔しい気持ちもありましたが、とにかく早い判断が必要だと。さらに3 月中旬にはグアム、ハワイの渡航制限が出され、沖縄はまだ施行も動いていましたが、緊急事態宣言の発令によって全てが出来なくなりました。」

堀田「T&Gグループ全体として、春のコロナ禍において、状況をシビアにかつスピーディに見ていくという判断は良かったと言えます。沖縄の店舗に関しても、臨時休業などの対応については、国内会場と同様のタイミングで進めていきました。その後宣言は解除されますが、海外渡航の見通しがいまだに立たず、ハワイ、グアムで商売ができない。沖縄に関しても感染者数の推移で大きく揺れ動き、8月には県独自の緊急事態宣言が出されました。それでも、早い段階から、様々なシチュエーションを想定しての準備が出来たのは、今になっては良かったと思っています。」

 

――それが、今回の売却につながっているわけですね。KENへの売却は、堀田社長自身が準備を進めてきたとのことですが。

堀田「2月の時点での中国拠点のリストラ以外にも、台湾、香港、ジャカルタ、モルディブも順次整理していき、台湾の施設も地元の企業に売却しました。とにかくコストを減らすことが最重要で、より厳しい見通しの海外を次々に整理し、会社としては身軽になっていました。KENへの売却については、実は早い段階から支援を打診し、サポートの返事をもらっていました。もともと同社の開発しているグアムのホテルにおいて、2007年から一緒にプロジェクトも手掛けていましたし。ホテルの設計の段階から、客室から見えるようにチャペルを配置しようといったことを、共同で取り組む良好な関係でしたから。リゾートウエディングがT&Gの国内事業に比べて、なかなか回復が見込みづらい中で、本当に最悪の状況になる前に話を持ちかけました。T&Gとしても、もう少し状況を見てみようということでしたが、なかなか回復の兆しも見えず。今回9月の発表に至ったのは、早い段階からこうした動きを進めてきたことにあります。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月1日号)