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![みんなのW×ブライダル産業新聞合同企画 [連続企画第5回「本番・料理」]当日に食べられない不満【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須 裕子氏】](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2025/01/431ae4459a85e5997f120749ba95d102-220x330.jpg)
みんなのW×ブライダル産業新聞合同企画 [連続企画第5回「本番・料理」]当日に食べられない不満【みんなのウェディング レビューアナリスト 黒須 裕子氏】
ユーザーからの口コミが会場のCSを測る基準とするならば、どのような視点でチェックしていくべきか。くふうウェディング(東京都中央区)の『みんなのウェディング』と本紙合同でそれぞれのカテゴリーの傾向と分析をまとめていく連載企画。5回目の今回は、【本番・料理】。新郎新婦は総じて料理に対する評価も高い中で、どのような点に不満を抱くのか。また料理はゲストからの評価が影響を与えることもあり、【招待】の口コミチェックも大切だ。
本番に比べ厳しい招待評価
上記の表は、【本番・料理】についてジャンル別の口コミ点数の平均値。レストランの点数が最も高く、ホテル、ゲストハウスと続いている。
「実際に式を挙げた新郎新婦の【本番】口コミでは料理の評価が高い一方で、ゲストとして参加した人の【招待】口コミでは、やや厳しめの評価を付けられている傾向が見られます。新郎新婦の納得度に比べて、ゲスト側は冷静に捉えているのでしょう。考え方として、ゲストは料理に対して費用を払っている意識もあり、そこはシビアになるのも当然かと。」(プロダクト企画部部長・竹中達郎氏)
【本番】と【下見】における料理評価のポイント差は、他の項目に比べ小さくなっている。これは料理に関して、【下見】時点で既に評価が高く、【本番】でもその印象は大きく変わらないためと考えられる。
試食と当日の味のギャップ
実際の投稿内容を見ていくと、最も多く書かれていたのは、当日に料理を食べられると思っていた新郎新婦が、食べられなかった、またはメインだけなど少ししか食べられなかったといったものだ。料理の費用を支払っているにもかかわらず、しかも楽しみにしていたのに食べられない不満は理解できる。
「最近は、新郎新婦の料理を披露宴の間にはほとんど出さず、控室で提供する会場も増えていますが、それさえ無かったという投稿もありました。これは、事前に新郎新婦に説明していれば恐らく解決する不満で、その説明が無いために食べられるはずと思い込んでいたのに当日出てこなかった、また出てきても、忙しすぎてほとんど食べられなかったという不満の口コミになっています。」(レビューアナリスト・黒須裕子氏)
次に多かったのは、味、質、量に対する厳しい口コミだ。ゲストから指摘されたというわけでなく、新郎新婦本人たちが感じたこととして書かれている内容も多かった。
「味、質については、試食の時と本番当日に食べた味のギャップに驚いたと書いているケース。またそもそも試食を食べていなかったが、写真で見てイメージしていたものより、あまりにも少なくてギャップを感じたなど。」(黒須氏)
味、質、量への不満に関しては、新郎新婦のためにポーションを小さくして出している可能性もある。また忙しいスケジュールで、提供と食べるタイミングがずれ、料理も冷めてしまって不満に繋がっていることも想定される。これは会場としての言い分も理解できるが、仮にそうであれば、後々の不満にならないよう事前にしっかりと説明しておくことは必要だろう。
【料理】項目では、ゲストから聞いた不評を、新郎新婦が不満として投稿するケースも多い。例えばパンをお代わりしても無いと断られたという内容について、新郎新婦はその上限を把握してなく、ゲストももちろん分かっていない。事前説明なしでは、お代わりを求めて断られれば残念に感じてしまう。
「演出として増えている、デザートビュッフェに対する不満も多くなっています。ビュッフェ形式を展開するにあたって、量の配分がうまくいっていない式場もあるようで、最初に取りに行った人たちの分だけで終わってしまった。その逆も然りで、余ってしまうことへの不満も見られます。事前に、余るのであれば量を少なくしてその分費用を下げてもらえないかと交渉したものの、無理だと断られた。結果として、新郎新婦の想定していた通りに余ってしまったなど。また余ったものをどうするのか見ていると、そのまま下げられた。ゲストに食べるよう促すアナウンスをして欲しかったという、当日対応への投稿もありました。」(黒須氏)
アレルギーや個別対応の間違いに対する投稿も多い。
「難しいと感じたのは、アレルギーを持っている人の症状の範囲が人によって様々であること。あるホテルのケースでは、アレルギー対応をお願いして代わりの食材を使って提供されたものの、結局それも食べられずにパンしか食べられなかったということでした。これは式場側だけの問題ではなく、コミュニケーション不足によると考えられます。どこまでの範囲なら可能なのかを事前にもっと話し合っておけば、改善できていたのかもしれません。」(黒須氏)
命の危険に繋がりかねない、絶対に起きてはならない内容もあった。事前に対応を依頼していたアレルギーを持っている子どもに対し、間違えて配膳をしてしまい、親の見ていないタイミングでたまたま食べてしまった。救急車を呼ぶ、呼ばないというほどの大問題になったという口コミだ。またお皿に付箋を貼って間違いを防いでいる会場で、そのまま付箋付きで料理を出してくるという話も。
その他には、未成年に対して、アルコールを勧めてしまった。車で来館するゲストもいるため、そこに対する配慮を現場スタッフにして欲しかったというような投稿もあった。
「ゲストによる口コミ、【招待】で多いのが、現場対応に関する不満。ドリンクの提供の遅さ。配膳の仕方として、席次表の上にドンと料理の皿を置く。お手洗いに行ってる間に、何個も皿が置かれてしまうなど。通路側に座っていて、配膳スタッフが通るたびに体に何度もぶつかるといった投稿も。こうした現場の気配り不足への指摘は多くなっていて、今後の改善は必要でしょう。」(黒須氏)
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月11日号)