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〔協業のメリット〕ホテルの伝統を訴求【リーガロイヤルホテル広島 代表取締役社長/総支配人 室敏幸氏×テイクアンドギヴ・ニーズ 執行役員 コンサルティング事業部長 秋吉宗徳氏】

〔協業のメリット〕ホテルの伝統を訴求【リーガロイヤルホテル広島 代表取締役社長/総支配人 室敏幸氏×テイクアンドギヴ・ニーズ 執行役員 コンサルティング事業部長 秋吉宗徳氏】

 ホテルや結婚式場の運営受託、コンサルティング契約を強化し、新たな“出店”スタイルで売上を創出しているテイクアンドギヴ・ニーズ(東京都品川区)。執行役員コンサルティング事業部長を務める秋吉宗徳氏をモデレーターに、業務提携を結ぶ企業の取り組みなどを紹介する連載の5回目は、リーガロイヤルホテル広島の代表取締役社長/総支配人・室敏幸氏をゲストに招き、オンライン対談を実施した。

リーガロイヤルホテルブランドとの提携は、小倉に続き2施設目。集客と成約率も好調に推移するなど、実績に繋がっている。広島のマーケットの特性のほか、最新VR機材の導入、ホテルだからこその料理のクオリティーなど、協業から見えてくる可能性はどんなものがあるのか。「少人数が増えているからこそ、ホテルウエディングには大きなチャンスがある」と話す秋吉氏の考えや協業メリットなどを、2号にわたって紹介する(後編は7月21日号掲載予定)。

 

――昨年3 月から、婚礼部門の業務提携を結んでいます。リーガロイヤルホテル小倉に続き、リーガロイヤルホテルブランドとは2 施設目の提携です。

室「もともと小倉の総支配人とは情報交換も頻繁にしており、コロナの影響に加えて小倉のマーケットの変化などから、いよいよウエディングの自走が難しくなってきたと。その流れで小倉とT&Gの提携に至ったわけですが、決定率が70%台に乗ることもあると聞きました。業界を牽引するだけの素晴らしい提案力があってこそのものだと感じ、広島においても一緒にできないかと思ったのがスタートです。」

秋吉「小倉の実績が認められての提携でしたので、やはり嬉しかったですね。当社は『アーククラブ迎賓館 広島』というゲストハウスを展開しており、広島エリアにおけるマーケットの知見もありましたから、個人的にもリーガロイヤルホテル広島との提携は願ってもないものでした。というのも、歴史と伝統があるホテルであり、加えて立地も素晴らしい。小倉での立ち上げ成功事例を同じブランドで横展開できれば、スピーディーに動けると感じたのです。」

――中国・四国地方の中での最大都市・広島ですが、マーケットの特徴はいかがでしょうか。

秋吉「『絶対にホテルウエディングがいい』というカップルは、東京の場合15~16%いるとの計算。広島も大都市とは言え、都心部と比較するとホテルのみの検討層はその半数まで下がるとの認識です。『ホテルの安心感も大事だけれど、ゲストハウスの自由度も興味がある』という両睨みカップルの割合は増えており、約30%といるとの見込みです。小倉も同様の特徴で、この両睨み層は増加傾向。ホテル×ゲストハウスの異業態ミックスでの打ち出しに成功していましたから、この点からも広島での勝ち筋は見えていましたね。」

――コロナ以降、列席者数が戻りきらないケースが多く聞かれます。その点に関しては。

秋吉「30名以下のパーティーを、バンケット数が少ないゲストハウスが取りにくいのは当然であり、そこはやはりホテルの持つ可能性は大きい。リーガロイヤルホテル広島は少人数バンケットに加えて、『レストラン シャンボール』と『スカイダイニング リーガトップ』という、2 つのレストランでも結婚式を受注しています。料理のクオリティーは言うまでありませんし、広島の景色を堪能できるなどハードスペックも申し分なく、この点でも訴求のしやすさはあります。」

室「広島の県民性として、真面目というのが挙げられます。コロナやインフルエンザの感染者が増加すると、それに反比例し列席数は減少する傾向です。」

秋吉「40名未満のパーティーは、広島では全体のうち半数を占めるまでになっています。30名以下となればもっと増えますから、小宴会場を所有するホテルのポテンシャルは大きいですね。」

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)