LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

〔フェア内セミナー:プレイバック〕ゼクシィだけに頼らない商品開発とメディア活用【鳥善 代表取締役社長 伊達善隆氏】
2019年11月に代表を引き継ぎ、社長に就任しましたが、その後の1年のほとんどがコロナ禍との闘いでした。
緊急事態宣言が発出された直後の4月9日、全社員に今こそ取り組むべき30のプロジェクトを伝えました。内容は大小様々ですが、いずれコロナ禍が収束した時に強い組織になっていようという方針のもと、事業と組織・攻めと守りのバランスを考えてプロジェクトを企画、実践してきました。
業務のペーパーレス化・効率化
一部を紹介すると、業務のペーパーレス化を推進した「オペレーションの効率化」、アニバーサリーケーキや惣菜の販売などの「新たな収益構造へのチャレンジ」、そしてコロナ禍における中心的なプロジェクトとして、披露宴の実施日程を変更した新郎新婦に、当初の実施予定日に前撮りを行うなどした「婚礼客への対応」などがあります。正直、タイミングの影響などもあるとは思いますが、月別の成約数は11月に前年比230%、12月には同200%を達成。何とか先が見えてきました。
今後は、多様化する価値観に向き合う必要があります。誰もが一番を目指す時代から、自分らしさを発信し、自分が大切だと思うものを大切にするという時代にシフトしています。『鬼滅の刃』も、主人公は一番強い剣士になりたいとは思っていない。ただ、鬼になってしまった妹を人間に戻したい。それだけなんです。そこへの共感がブームに繋がっているという分析がありました。共感というキーワードで言えば「Black lives matter」も象徴的です。ナイキが先行して意見を表明し、アディダスやネットフリックスといった大手企業もこれに追随しました。企業がこういうメッセージを発信するとアンチを生むリスクもありますが、逆に、その姿勢を評価して商品を買うという消費行動も活発になっています。
結婚式場も、「どんな結婚式もやります・お手伝いします」という姿勢より「僕らはこういう結婚式をしたいです」と自社のスタンスを発信する方が時代に適っているように感じます。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)

