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キーマンに聞く

【この人に聞く!】思想性を背景にした取り組み(事業構想大学院大学 教授 岸波宗洋氏)

【この人に聞く!】思想性を背景にした取り組み(事業構想大学院大学 教授 岸波宗洋氏)

 「SDGs総研は、日本にSDGsに関するシンクタンク、リサーチ組織がなかった中、2018年に国内で先がけて学校法人先端教育機構内に設立。実践事例の発信やプロジェクト研究を進めています。プロジェクト研究には、これまで100社以上の企業が参画しており、自社のSDGsの達成に貢献する新事業の策定に取り組んでいます。こうした活動を通じて人を育てることこそが、企業が変容するための第一歩につながっています。」

 「SDGsが採択された2015年当初、ビジュアルインパクトを求めて17の項目のアイキャッチがクローズアップされました。例えば、8番目の〔成長・雇用〕分野においてもそのターゲットとしてブレークダウンした項目を見ると、GDPで年率7%の成長率となっています。これは日本のような規模では大変ですし、逆にミャンマーでは圧倒的に足りなすぎます。国によって価値や捉え方が違ってくるために、浸透したときにどうやって達成するのかという課題が生まれます。例えば海を守ろうという目標に関しても、海がない国はどうするのかと。もともとタグ付けして項目を達成しようということではそれほど意味がないのです。ではどうするのか。そこで思想性を共有するという概念が出て来ました。餅は餅屋の考えで、最大限の効果が出るために世界市民が考えていくことが求められ、その基本として3つの思想の話が出てきました。まずはこれを理解しようという流れです。」
 
「3つの思想性のうち第一がPlanetary boundaries(地球惑星的世界観)。国や地域だけではなく、視野を広げて地球という価値観にしていくことです。ビジネスをやるにしても社会貢献として環境価値という考えが生まれており、何100年、何1000年後に生まれてきた人たちに、負の遺産を押し付けることがないようにという思想です。」
 「2番目はNo one will beleft behind.(誰一人取り残さない)。経済合理性の目的を間違え、お金を稼げれば幸せ。生きる目的がお金になっていると、人間の価値がお金になってきます。前提として、この思想を理解していれば、貧しい人を誰一人取りこぼさないのはもちろん、なぜ貧困が生まれるのかというところに理解も深まります。」
 「3番目がTransformation(変容の世界観)。幸せで満たされてないからこそ、変わっていかないといけない。ではどのように変わるべきなのかを考えていく。人間が変わるべきとは何なのか。例えばスウェーデンの環境活動家グレータ・トゥーンベリさんは、刹那的、恣意的に生きている人たちに対して、地球を自分毎のようにとらえ、その感情を代弁します。普通の人からすれば奇々怪々で、何故泣きながらそのような説明しているのかとなりますが、その共感性こそが人間特有のものです。単に再生飼料を使っているだけでは、目標のタグ付けにしか過ぎず、根本的に変わっていかないといけないわけです。その変わる方向を、一人ひとりが考えて、未来としてどうイメージしていくかというポイントです。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)