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『顧客満足度』3年連続1位【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

『顧客満足度』3年連続1位【ブラス 代表取締役社長 河合達明氏】

8月3日、オリコンの顧客満足度ランキングの「ハウスウエディング」カテゴリーが発表され、ブラスが3年連続一位に輝いた。今年も13部門中11部門で首位を獲得する人気で、結婚式を実施した新郎新婦のCSが高い水準にあることが改めて証明された。

さらに注目すべきは、同社が発表した第3四半期(2020年7月期)の決算発表。3月~7月までのキャンセル率が、わずか2.4%であったのは、他の上場各社と比べても極めて低い数値だ。非常事態時であっても、顧客最優先を掲げ、一組一組に寄り添ってきたことが、こうした結果に表れている。今号では河合達明社長に、今こそ必要なプランナーの役割などを聞いた。

 

 

――まずは、オリコン顧客満足度ランキングの3 年連続1 位おめでとうございます。ブラスの新郎新婦の満足度が高いことが、改めて証明されました。

河合「このランキングは絶対に一位を取りたいと考えていたので、素直に嬉しいですね。顧客満足度調査ということは、新郎新婦からの評価なわけですから。今後の課題としては、このランキングの結果をどう集客につなげていくか。昨年は中日新聞がニュースとして大きく取り上げてくれましたが、実際にそれを見て来館してくれた人は2組。結婚式はそういう商品だと身に染みて感じていますが、会社としてそこをどう乗り越えるかが課題でもあります。」

河合「ただ、この3 年間での変化も感じています。一つはオリコン顧客満足度ランキングのブランドが上がってきていると考えています。他業種の企業がテレビCMなどで、満足度調査1 位と宣伝していますし、多くの人にこうした調査があるのだという認識が広まっていると実感しています。今後集客に影響してくることを、期待できる点でもあります。また新規で来た新郎新婦に説明することで、反応もいいですね。一位の盾を会場にも置いていますし、新規の後押しになっています。」

 

 

――オリコン顧客満足度ランキング1位だけでなく、注目したいのが春のコロナ感染拡大期におけるキャンセル率の低さです。他社と比べても特筆すべき数字であり、ここにもブラスの顧客の高い満足度が表れていると考えられますが。

河合「当社のいいところが出た結果と考えています。もちろん、一定数キャンセルが出てしまうのは当然。ただ、新郎新婦とプランナーの信頼関係があることで、延期をする人が多かったと言えるでしょう。通常時であっても、様々な事情から延期をする人もいましたし、キャンセルもありました。そうした場合に、杓子定規に対応するのではなく、まずは顧客の事情を考えていく。規約はありますが、キャンセル料に関しても事情を踏まえながら対応するようにしてきました。それは今回も同じ話です。コロナの感染拡大によって、延期料金をもらえるわけがないというのは、会社全体で話し合わなくてもそれぞれのスタッフが持っていましたし、初期はその判断に任せていました。3月後半になり感染拡大が広まってきた段階で、会社としての方針を決定しましたが、現場で新郎新婦にとって何がいいのかを最優先に考える企業文化が発揮されたとみています。」

河合「もちろん、全てを無料にするのではなく、もらうべきものはもらうこともあります。ただ社員も顧客も納得することが大前提で、それは以前から大切にしていること。今回も、新郎新婦としっかり話し合うよう、会社全体に伝えました。現場の判断を重視している一方、一定の決め事としてこれはしてはいけないということもあります。特にAさんはごねたから低くする、Bさん何も言わないから高くもらうというのは、商売としてのモラルに反するわけですから。最終的な会社の方針として、延期料はもらわない。ただし延期してもらう時には、その時点の見積もり額の30%を内金でもらうことを4 月に決定し、当日に充当します。」

 

 

――当日充当の内金的な内容であっても、その時点で費用負担を求めることに多くのクレームが集まった事例もありました。結果キャンセルが多発してしまったわけですが、何故ブラスの場合は批判が噴出しなかったのでしょうか。

河合「そこは信頼の違いかと。新郎新婦にはこれまで、さらにこれからの打合せや日程調整に必要な費用だということを、新規から何度も会ってコミュニケーションを深めてきたプランナーが説明していきました。新郎新婦側も、結婚式場も厳しいと理解してくれていますし、目の前のプランナーを信頼してくれているからこそ協力してくれるわけです。当社は新規から当日までの一貫制であり、10回以上の打合せを重ねることも珍しくはない。特に4, 5月の直前の新郎新婦であれば、その関係性も十分に深まっていますから、こうした話ができる信頼感もあるのです。一人のプランナーが担当する新郎新婦は、一貫制のため年間20~30組、半年であれば10組です。この10組の顧客と密に連絡を取れないようでは、当社のプランナーとしては失格。だからこそ、しっかりとコミュニケーションを取って欲しいと。これが、新規・施行が分業で、打合せ回数も限られている場合はどうか。春シーズンの施行であっても、プランナーと新郎新婦が顔を合わせたのが1回だけという可能性もあるはずです。信頼関係を築いていない状態で内金や延期料を求めても、不信感になってしまうのは当たり前ではないでしょうか。」

河合「もう一つ、当社は緊急事態宣言下にあっても、会場を開けていました。迷っている新郎新婦が真っ先に電話をしてくるのは会場であり、中には直接相談に来る人がいるかもしれないと。現場で、必ず誰かが対応しなければ困ってしまいます。トラブルになったケースで想像できるのは、新郎新婦が誰に電話をしていいのか分からない状態だったのでは。打合せで1,2回だけ会った人なのか、それとも最初に新規で対応してくれた人か。支配人と言っても、顔を見たことすらない。その時点でどうしたらいいのかわからず、止む無く会場に電話をしても閉まっている。それではクレームにもなります。一貫制であれば、新規で一度しか来店していない人であっても、誰が担当者か分かっています。さらにどうしたらいいのかを会場に電話してくれば、相談に応じてくれる。そこは最も重視したポイントです。どんどん状況が悪化する中で新郎新婦の迷いもどんどん高まっていきました。結局のところ話を聞く以外ないわけです。こちらからはやりましょうとも、延期しましょうとも答えを出せない状況だからこそ、じっくりと話を聞き一組一組に向き合って欲しいと伝えました。」

 

 

――コロナによって、結婚式で大切なことが改めて業界に突き付けられたとも考えられます。今後の結婚式をどう考えていますか。

河合「まず言えるのが、結婚式業界に対する不信感が噴き出ています。今に始まったことではありませんが、キャンセル料金が高い、延期料金を取るなど、非常事態でありながらどうなのかと言われています。不明瞭な見積もりや、知らぬうちにどんどん増えていく料金、最初はできると言っていたことが結局できなかったなど。それ以前からあった顧客の不信感が今回の事態で噴出しているのですが、それをいかに取り除いていくかが求められるでしょう。顧客の立場に立ったら不自然に思うことを、自分たちで変えていく。実際にブライダル企業も社員も、それは変だと自分たちでも思っているはずです。まずはそれを止めるということが、大切だと考えます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月21日号)