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《Yumi KatsuraのTalk Session》ブライダルの巻き返し期待【桂由美氏×三原じゅん子氏】

《Yumi KatsuraのTalk Session》ブライダルの巻き返し期待【桂由美氏×三原じゅん子氏】

 参議院議員の三原じゅん子氏は、婚活・ブライダル振興議員連盟の会長を務めている。コロナ禍において、新しい生活様式の提言の中から冠婚葬祭の記述の削除を進めたほか、今春の緊急事態宣言発出前には、結婚式場の営業自粛回避のための一役も担ってきた。危機に直面するブライダル業界の巻き返しのために、国としてのサポートを推進している。桂由美氏の連載企画【Talk Session】は、三原氏を招き、未婚少子化対策にブライダルがどう貢献していくかを語りあった。

エビデンスを求めていく
桂「ブライダル業界は、まだまだ厳しい状況です。」
三原「ワクチン接種も今後さらに進んでいきますが、これまでに借金を背負ってしまった企業も数多くあるため、今までの分を取り戻す必要があると考えています。業界を助けるという観点から、私たちも様々な形で支援をしていきます。このままでは、業界のプレイヤーが半分になってしまうという話も聞いていますし。これから経済を立て直そうという時に、ブライダル業界が縮小してしまえば経済も元には戻りません。1.4兆円規模の業界はそうそうありませんし、ブライダルは花やファッション、さらにトラベルに通じるなど様々な業種にまたがっていますから。大きな損失を取り戻せるようにするためにも、予算や税制で支援していかなければならないと考えています。また、少子化という大きな問題も踏まえて、これまでの何倍もの力を注いでいく必要があります。そのためにも、結婚式のエビデンス、例えば結婚式をすれば離婚が減る、子供の出生率が上がるなどをきちんと打ち出すことが大切になります。エビデンスをもってして、少子化対策の目玉として結婚式をとらえるべきだと思っています。」
桂「1970年代の最盛期は婚姻数も110万組だったのが、今は53万組前後と半分以下になってしまいました。婚姻数の大幅な減少は子供の出生にも大きな影響を与えるだけに、この状況は本当に深刻です。」
三原「ブライダル業界でも、色々なアイデアが出ています。例えばANAとコラボした結婚式や、郊外の屋外で実施するなどユニークな結婚式が次々に登場しています。コロナの状況ではありますが、人数を減らすだけではなく、3密対策も兼ねて広い屋外でたくさんの人に来てもらうなど、色々な方法を考えています。それに対して国がどういう予算を取っていくか、業界の人たちと共に知恵を出しながら進めています。」
桂「昨年6月、婚活・ブライダル議連による業界ヒアリングの際に、新しい生活様式の提言内にあった【冠婚葬祭を控えるように】という文言が議題に上がり、三原会長の国への働き掛けによって直後にその文言が外れました。この対応は、その後の業界にとっても非常に大きいものでした。」
三原「3回目の緊急事態宣言発出直前に、ブライダル業界関係者が官邸に赴き官房長官に陳情しました。そこで営業自粛ではなく人数制限、飲酒制限だけで済んだのは、新しい生活様式内に文言が入っていなかったことも大きかったです。もし冠婚葬祭への提言が入っていれば、恐らく営業自粛になっていたでしょうから。昨年の6月に業界からのヒアリングを開催して、すぐに動いたことは今になってみれば本当に良かったと思っています。」
桂「婚活議連の会長の立場として、未婚少子化対策はどのように進めていくのですか。」
三原「婚活議連では、とにかくやれることはすべてやっていこうという考え方です。マッチングについてもIT、AIを駆使してありとあらゆる策を講じていく。同時に昔ながらの大切な文化である、仲人さんも大切にしていきます。新しいものも、古きよきものも総動員することで、結婚に通じる道筋を作っていきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)