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キーマンに聞く
《人材不足 解決の一手③》人材不足の厨房と料理人を繋ぐ【シェアダイン 共同代表 井出 有希氏】
人材の課題を解決するために、採用・定着・教育に関して、各識者のアドバイスを紹介していく【人材不足解決の一手】企画の第3回は、料理人・シェフのマッチングサービスを展開するシェアダイン(東京都港区)の共同代表・井出有希氏。サイト上で料理人不足の店舗と、料理人を繋ぐ【SPOT CHEF】を展開している同社。厨房の人材不足を補うのみならず、様々な店で働ける機会を若手に提供していく人材育成としての利用にも期待される。
生計を立てる料理人も増加
同社は2017年に会社を設立。井出氏、共同代表の飯田陽狩氏両者の、子どもに好き嫌いなくキチンと食事を取らせるには料理のプロが必要ではという考えにより、2018年から家庭向け出張料理にシェフを紹介するサービスを開始した。コロナ禍の飲食業の営業自粛を背景に、1 店舗だけの働き方に頼るのではなく、同社のプラットフォームに登録して別の働き場所も確保したいという流れが加速。有名レストラン、ホテルシェフの登録も急増し、現在はその数も1 万人に達している。
「飲食店側からも、多くの予約の入っている特定の日にだけ、登録しているシェフ、料理人に来てもらうことはできますかという問合せが入るようになりました。当社としてはシェフ、料理人に対して、家庭だけでなく様々な活躍の場を用意したいという想いもあり、人手の足りない厨房の現場とプロフェッショナルな料理人をマッチングするサービスを2022年から開始しました。」(井出氏)
こうしたサービスは、最近注目のスキマバイトをイメージするものの、同社の場合、長時間・長期間しっかり働きたいという人材が多いのも特徴。求人側も10時~22時のフルタイムで、一日だけではなく長く働ける人を募集している。リゾートホテルなど、ハイシーズンに長期間勤務の募集も少なくない。同じ人に何度も入ってもらい知ってもらった方が、業務効率も上がるという考えによる。
「料理人側は一般的に、自分の勤めるレストランで働きながら、他の店のやり方も見てみたいという副業的な意識から当社の登録をスタートします。もっともマッチングには数多くの募集があるため、勤め先を辞めて様々な経験を積んでいくという考え方に変化していきます。一つのジャンルにとらわれず、幅広い仕事によってスキルアップをしたいと当社のサービスのみで生計を立てている人も増えています。」(井出氏)
登録している料理人のキャリアで最も多いのは、10年前後の経験を持つ30代前半だ。プロをマッチングするという考え方から、同社に登録する料理人は、スキルを担保するために、3 年以上の経験を必要としている。専門学校を卒業したばかりの20代前半ではなく、必然的にこの層の登録が多くなる。
「30代前半というと、キャリアとしていくつかの店で経験をし、次は自分で店を持つ、料理長・副料理長のポジションを狙う年代。ただ自分の店を持つことに対しては、コロナによってリスクを考えて慎重になる人も多くなっています。それならば当社のサービスを使って様々なことを吸収しながら、まずは自分の実力で食べていけると証明し、そこで自信を得てから一国一城の主になろうとするのも最近の流れです。」(井出氏)
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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