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キーマンに聞く

26歳で自ら手を挙げ支配人に【ザ コンチネンタル横浜 支配人 上原 佑介氏】
BP(横浜市中区)の運営するザ コンチネンタル横浜で支配人を務める上原佑介氏(29歳)は、入社4年目の終わりに社内公募で支配人に就任した。セールスプランナー時代、異動先で成果が出ず、上司の助言を受けて営業成績1位を目指すと、その3ヵ月後に全社1位となり、それからは約2年間トップを維持した。営業成績を追求する中で、カップルに喜んでもらうことの大切さも実感したという。支配人として人を育てる難しさに向き合いながら、現在はスタッフと一組一組の結婚式を考えるチームづくりに取り組む。若くして組織を率いるまでの歩みと、支配人として感じた苦悩ややりがいを聞いた。
≪上司からの助言≫
――ブライダル業界を目指したきっかけは。
上原「高校3 年生の終わりごろから、先輩の紹介で式場のサービススタッフとしてアルバイトをスタート。大学時代の就活ではブライダル業界を目指していたわけではなく、不動産や人材など、他業界から4 、5 社ほど内定をもらっていました。当社への入社を考えたのは、アルバイト先のエクセレントコーストで憧れていたサービスマネージャーから、『一緒に働きたい』と言われたことがきっかけです。説明会などを通じて先輩社員の仕事へのモチベーションに触れ、感銘を受けました。BPは不動産、保険、インテリアなど、婚礼以外にも事業を展開していることを知り、最終的に入社を決めました。」
――仕事への向き合い方が変わった転機は。
上原「入社後はセールスプランナーとして、エクセレントコーストに配属されました。2 年目の12月に表参道の店舗へ異動しましたが、そこでなかなか成果が出ず、同期にも先を越されていました。当時のマネージャー、支配人と3 人で話した際、『どうせなら本気で営業成績1位を目指そう』と声をかけられたことが強く印象に残っています。そこで次のクールで営業成績1 位を取ることを目標に、先輩や上司に時間をもらい、接客力を高めようと勉強やロールプレイングを繰り返しました。異動から3 ヵ月後のクールで1 位となり、その後も約2 年間、全社1 位を維持しました。一方で成績を追う中で、数字を意識しすぎると受注に至らないのも事実。カップルにどう喜んでもらうか、本気で考え抜いてとことん向き合ったことが、結果に繋がったと思います。」
――26歳という若さで、支配人に就任した経緯は。
上原「初めから支配人を目指していたわけではありませんでした。挑戦のきっかけは、26歳以下を対象とした支配人の社内公募です。集客や成約の施策を担うマネージャーになったばかりで、十分にできていないこともありました。それでも、与えられた環境の中で最高の状態でいたいと思っていたので、挑戦できる機会が用意されているのに手を挙げないのは違うだろうと。不安もありましたが『立場が人を育てる』と当時の支配人から言われたこともあり、成長の機会と捉え応募を決意。入社4 年目の 2 月に就任し、クラシカベイリゾートに配属となりました。」
――支配人になって以降、感じた難しさは。
上原「マネージャーまでは、自分自身の成果をどう高めるかが中心でした。一方で、支配人はチームを育て、会場全体の成果を出す立場です。人によって考え方も乗り越えるタイミングも違いますから、自分がうまくいったやり方を、そのままスタッフに当てはめても通用しませんでした。自分の挫折なら自身の問題として向き合えるものの、人を育てる中での挫折は、これまで味わったことのない苦しさがありました。」
上原「支配人になった当初は、年齢の近いスタッフに対し、親しみやすい先輩のように接していました。ただ、支配人という立場から投げられる言葉は“むき出しの刃物”にもなると気づき、それからは指示や依頼をより丁寧に、詳しく伝え、スタッフが本音を言えるよう、日頃の対話から逃げず、違和感も見過ごさないことを心掛けています。立場が上がるにつれ孤独を感じることもあった一方、役員やエリアマネージャー、他店の支配人が相談に乗ってくれました。自分ひとりの力ではなく会社や周囲に支えられて、ここまで来られたと感じています。」
≪チームで生み出す奇跡≫
――現在、支配人として大切にしていることは。
上原「『スタッフにとって結婚式が当たり前になり、作業のように感じてしまうことが怖い』とプランナーから相談を受けたことがあります。私自身結婚式は大好きで、スタッフにも好きでいてほしい。そのため、一組一組の結婚式の準備から当日までを映像に残しています。作品がたまれば全員で鑑賞会も行います。若手には『自分もこんな結婚式を創りたい』と感じてもらい、一定キャリアのあるメンバーには新郎新婦と向き合った時間を振り返ってほしい。そうした環境を作ることが、支配人としてのやりがいです。」
上原「私たちが目指しているのは、『感動を超え、“奇跡”が起きたと感じてもらえる結婚式』です。ザ コンチネンタル横浜では、プランナーや映像、キッチン、サービスなど各部門が毎週集まり、ミーティングをしています。以前、手紙を書くのが苦手な新郎を後押ししたことがありました。新婦は普段から手紙で想いを伝えていましたが、新郎はプロポーズで用意した手紙も緊張して読めなかったそうです。そこでキッチンスタッフから、当日携わるスタッフ全員が2 人に手紙を書き、1 日かけて渡す案が出ました。来館から披露宴まで計10通の手紙をつなぎ、最後は新郎から新婦へ。新郎は『背中を押された』と話し、新婦も初めて受け取った手紙を『一生の宝物』と喜んでくれました。部門の垣根を越えて考え抜くからこそ、期待を超える結婚式が生まれると感じています。」
――今後、支配人として取り組みたいことは。
上原「婚礼業界は、業界内外との交流が限られていると感じています。だからこそ、異なる業界とも交流し、結婚式の形を広げたい。最近ではクルージングのウエディングを始めたほか、日本ペットフードの『ピュアキューブ』を使い、当社の料理長が犬用のコース料理に仕立てる取組みも開始。結婚式に参加する犬にも、料理を楽しんでもらいたいとの想いです。今後も異業種との連携を通じ、婚礼の世界を開いていきたいですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月1日号)

