LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く
![連載111:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『音楽著作権に新たな権利が?年内改正の見込み』【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】](https://bridalnews.co.jp/wp-content/uploads/2024/04/d2693e224da150b7f3eef427849463e9-220x330.jpg)
連載111:今を知り、明日を勝ち抜く[ブライダル法務NOW]『音楽著作権に新たな権利が?年内改正の見込み』【株式会社ブライト 行政書士事務所ブライト 代表 夏目哲宏氏】
BGMを巡る新たな権利を正しく理解しよう
ここ最近、仙台や大阪で法務セミナーを開催したところ、音楽著作権をめぐるこのニュースに注目が集まりました。このコラムでは、音楽著作権に追加される見込みの「新たな権利」についてQ&A形式で解説します。
Q.今年の通常国会で音楽著作権に関して新たな権利が追加される見込みだとか?
A.そうなのです。報道によれば、通常国会で著作権法が改正され、私たちブライダル事業者にも影響が生じる新しい権利が追加される見込みです。
Q.どのような権利ですか?
A.「レコード演奏・伝達権」と呼ばれる権利です。 宴会場等で流すBGMに関して、その楽曲を作詞・作曲した人(狭義の著作権者)だけでなく、歌手、演奏家またはレコード会社など(著作隣接権者)にも権利を認めようとするものです。もし報道の通りこの権利が追加されると、主にホテル、式場または音響の事業者に影響が生じます。
Q.ちょっと待ってください。BGMについてはJASRACとの間で包括契約を締結して、毎月使用料を支払っているはずです。それとは別の権利なのですか?
A.ホテルや式場等がJASRACとの間で包括契約をしているのは、楽曲を作詞・作曲した人の「演奏権」についてです。「レコード演奏・伝達権」は「演奏権」とは別の権利として、BGMを利用する際に歌手、演奏家またはレコード会社等にも許諾を得ることを求めるものです。
Q.なじみがないせいか、納得感がないのですが。
A.確かに私たち日本人にはなじみがない権利ですが、報道によれば世界的には同様の権利が認められている国の方が多いようで、この権利がないことで日本のアーティストは不利な立場に立たされている面もあったようです。日本の音楽コンテンツについて、国際基準に基づく正当な権利を認めようという動きの一環で、今般の著作権法改正が検討されているようです。
Q.もし改正著作権法がそのまま成立したら、JASRACに支払う月額の使用料が値上げされるということでしょうか?
A.実は現時点で「どのように使用料を徴収するか」など細かな話までは決まっていません。JASRACは作詞・作曲者から「狭義の著作権」の取り扱いについて信託を受けているが有する「著作隣接権」に関する業務は行っていません。とはいえJASRACが全国で構築している「演奏権」についての徴収ネットワークを活用する案も含めて、今後3年程かけて音楽団体や利用者との間で協議して決定する方針のようです。
Q.現時点で私たちブライダル事業者が留意すべきことはなんでしょうか?
A.国会で改正著作権法が成立し、「レコード演奏・伝達権」について報道されれば、それを知って「私たちの結婚式において支払わなければならない使用料が増えてしまうのでは?」と心配される新郎新婦も一定数現れるはずです。 その際、「どんな影響がありますか?」と質問されてプランナーさんが何も知らずに対応していては信用を失ってしまうので、現時点では「新たな権利としてレコード演奏・伝達権が誕生する(した)ことは事実ですが、まだ具体的な使用料の徴収方法などは決定していませんので、お客様の披露宴には影響は生じない見込みです」などと、冷静に、かつ正確に回答できる準備はしておくことをお勧めします。
今回は、音楽著作権に追加される見込みの「新たな権利」について解説しました。また動きがあれば、このコラムでもお知らせしようと思いますのでご注目ください。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)

