LISTEN to KEYMAN
キーマンに聞く

《納得を引き出す営業テクニック-Vol.7-》“選ばせる親切”が決断を遠ざけてしまう理由【ビーハイライト 代表取締役 濱田 大輝氏】
選択肢が増えれば増えるほど、人は迷う
「選択肢は多い方が親切だと思っている」、「全部説明した上で、あとは新郎新婦に決めてもらっている」。そんな接客、していませんか?
一見すると誠実で正しいように見えるこの姿勢。ですが実は、それが“決めきれない原因”になっていることがあります。特に、「自分が新郎新婦の立場だったら、即決はせずに他も見たい。なので、こちらから即決を促せない」と考える人も多いです。
相手思いで良心的な判断に見えますが、ここで1つ知っておいてほしい事実があります。実は、多くの式場を見比べるほど、結婚式そのものへの満足度は下がっていく傾向にあります。これは感覚論ではありません。この現象は、心理学者のバリー・シュワルツが提唱した、【選択のパラドックス】という考え方でも知られています。
選択肢が増えるほど人は迷い、決めた後も比較を続け、結果として満足度が下がりやすくなる。人は無意識に、「自分で全部判断しなければならない」、「失敗したら自分の責任になる」と感じた瞬間、強いストレスを覚えます。つまり、「他も見たい」という言葉の裏側には、「まだ決めきる自信がない」という、心理が隠れていることも多いのです。
当社はブライダル営業に特化した業務委託チームを立ち上げて3年。全国の式場において新規接客を担っていく中で、成約率の高い人に共通する“ある特徴”に気付きました。それが今回ご紹介する【選択のパラドックス】という考え方です。例えば…
×「AもBもCも人気です。」
○「私はお話を聞いていて、この2つのどちらかだと感じました。」
×「どれも素敵なので、比べてみてください。」
○「私が同じ立場なら、こちらを選ぶと思います。」
選択肢を“減らしている”のに、押しつけには聞こえません。それは、正解を示しているのではなく、『判断の材料を整理している』だけだからです。営業とは、選ばせる仕事ではありません。顧客が「この選択なら大丈夫」と思える状態をつくる仕事です。選択肢を減らすことは、自由を奪うのではなく、迷いから守ること。その小さな設計が、「一度持ち帰ります」を「ここにします」に変えていくのです。
次回は『決めさせない人ほど、なぜ決まるのか』という、ブライダル営業におけるクロージングの考え方をお届けします。どうぞお楽しみに。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月11日号)

