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キーマンに聞く

連載8:《会場の業績アップ事例》ゴールデンサークルが生むニッチャーの勝ち筋【ニューバリューフロンティア 執行役員 森房 知史氏】

連載8:《会場の業績アップ事例》ゴールデンサークルが生むニッチャーの勝ち筋【ニューバリューフロンティア 執行役員 森房 知史氏】

多くの会場では、新規接客当日の説明が“設備の紹介”に寄りすぎてしまい、本来の価値が伝わりきらないケースも少なくありません。そこで私たちが重視しているのは、ゴールデンサークル理論(Why→How→What)を新規接客に取り入れることです。
ニッチャー戦略は、“限られたターゲットに深い価値を届ける”ために、会場ならではの「らしさ」が必要。ただ、“らしさ”は新規接客の場でWhat(設備・特典・プラン)に埋もれてしまうケースが多く見られます。「ガーデンが広いです」といった説明は、競合の会場で同じように語っていることも多く差別化にはなりません。ニッチャーの立ち位置を築いても、説明の仕方によっては“比較される状態”を自ら作ってしまうのです。
ある地方の式場で、接客導線にWhyトークを加えました。「私たちは、家族の距離が近づく結婚式を届けたいと考えています」、「この街で“自分たちらしい結婚式”が叶う場所をつくりたいという想いが原点です」。このように最初に“存在理由”を伝えてから、How・Whatへ繋げていきました。その結果、カップルからの共感は高まり、成約率は前年対比13ポイント改善しました。Whyは比較されず、How・Whatは比較されるという構造で、ニッチャー戦略との相性の良いポイントです。
Whyが伝わったあとに説明されるHowやWhatは、単なるスペックではなく、「理由のあるこだわり」、「意味のある設備」へと変わります。例えば、◎導線の良さ →「家族の距離が近くなるように設計」、◎料理のこだわり →「ゲストの『美味しい』が一生の記憶になると考えているため」◎一貫担当制 →「2 人の物語を深く理解したいから」。このようにWhyと紐づけて伝えることで、誰でも価値を届けられる状態になります。
Whyトークは営業話法ではなく、会場の「文化」として定着させることが大切です。ヒアリング後に一言Whyを添える、 内覧開始時にWhyを必ず伝える、見積・特典提示の前にもWhyを入れるといった小さな積み重ねで、カップルの“価値で判断するモード”を自然に生み出していきます。
ニッチャー戦略の核は、比較されない理由をつくること。広告・SNS・撮影コンテンツで世界観をつくり、新規接客でWhyを語り、見積提示でWhyを再確認してもらう。この一貫性を持つ会場は、成約率の伸びが大きく、再現性の高い改善を実現しています。
≪今回のワンポイント≫
“スペックで選ばれる”から、“意味で選ばれる”へ。Whyを語ることが、ニッチャー戦略を強くする。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、11月21日号)