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学生一人ひとりへの対応【ディアーズ・ブレインHD グループ経営戦略本部・人事部長 吉田佳奈氏】

学生一人ひとりへの対応【ディアーズ・ブレインHD グループ経営戦略本部・人事部長 吉田佳奈氏】

ファンになってもらう

ディアーズ・ブレインホールディングスの採用担当は10名、人事部門全体でも20名のチームである。グループ企業10社の採用を統括し、人事全般を担っている側面はあるものの、それでもこの人数は他社に比べても特筆すべきだ。そのチームを統括するのが、グループ経営戦略本部・人事部長の吉田佳奈氏。吉田氏は金融会社の人事を経験後、10年前に同社に入社。一貫して人事畑を歩いてきた。

「採用において重視しているのは、とにかく採用活動で出会う学生一人ひとりに対して、時間をかけることです。採用に至らなくても、接点を持てた学生たち全員に当社のファンになってもらうことがゴールです。そこに力を入れているため人数は自ずと必要となります。」(吉田氏)

ファンになってもらう目的は、将来的にブライダルの顧客になる可能性を想定してのもの。同時に、一人ひとり時間をかけることで、採用活動にも様々なメリットをもたらす。

1 つは、内定承諾率。学生一人あたりの内定数は、コロナ前の1 、2 社からコロナ以降増加している。つまり内定を出したとしても、承諾の可能性はその分低くなる。そこで採用担当者が積極的に連絡し、一人ひとりと密なコミュニケーションを培っていくことで、他社に比較しても高い承諾率を実現している。

採用活動のフェーズが上がっていく状況での辞退率を下げる効果と同時に、面接自体のブラッシュアップにも繋がる。例えば面接実施後には、面接をどう感じたのか。やり切れた部分と、出し切れなかった部分。欲しい情報はあったかなどを全員に連絡して聞いている。例えば出しきれなかった部分は、こういうことをアピールすれば良かったのではというアドバイスも送る。ここまで時間をかけて対応することで、当然その後のフェーズでの辞退率は低下し、さらに面接の課題も浮かびあがりそれを基に改善を進めている。

「面接の意味も変化していて、現在は企業と学生の相互理解の場であると認識しています。会社が学生を見極める一方、学生から企業が見極められていると考えなくてはならないでしょう。採用担当のメンバーには、新卒で現場を経験してきた人材も多く、つまり結婚式で顧客の要望を汲み取る経験を、学生との相互理解スキルとして活かしています。」(吉田氏)

同社の相互理解を大切にする姿勢は、インターンシップにも表れている。インターンシッププログラムでは、打合せ業務を体験できる結婚式プランニングを実施しているが、さらに特徴的なのは新規営業の体験も行っている点だ。実際に入社後に必要なリアルな仕事をありのまま見せ、それを理解した上で入社してもらいたいという狙いがある。これは前述した内定承諾率の高さにも繋がっている。

今後の課題について吉田氏は、メディア離れも進む若い世代のエントリーを確保するため、どのように自社を多くの人に知ってもらうかだと語る。

「採用広報は、コロナ以降より重要になっています。TikTok、インスタを含め、学生たちが情報を得るメディアもSNS中心になっている状況で、いかにタイムリーに同じ視座で求めている情報を提供できるか。特にTikTokは【バズる】という観点で考えると、必ずしも採用に直結する動画でない方がいいのかもしれません。スタッフみんなでゲームやダンスをするなど業務とは離れ、それでも社内環境・人間関係が良さそうと感じさせるなど。アカウントに興味を持ってくれれば見てもらえますし、それも含めて今後対応を進めていきます。」(吉田氏)

 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月11日号)