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キーマンに聞く

《ブランディングのススメ》ブランディングで勝負する時代に【ADLIVE 代表取締役 松木 順水氏】
昨年のゼクシィ改変により、広告投資の勝負はよりし烈になっている。資本力のある大手に対し、広告予算の限られている中小会場がいかに戦うか。そこで注目を集めているのは、マーケティングからブランディングへの意識転換だ。同質化することなく、自社の強みを表現していく。撮影ディレクションを通じて、会場の魅力を打ち出したコンセプトメイクをサポートしてきたADLIVE(東京都目黒区)松木順水氏に、ブランディングの重要性を聞いた。 (PR)
マーケティングでは勝てない
――ブライダル業界はこれまでマーケティングが重視されてきたわけですが、これからはブランディングを進めていかなければ市場での生き残りも厳しい時代に突入しています。
松木「もともと私がリクルートに勤めていた時代から、中小会場が大手の真似をすることによりどんどん同質化していく流れはあって、特にデジタル撮影に移行してくるとレタッチでそれも容易になり、その傾向はさらに加速していきました。結婚式場の同じような写真が並んでいる中で競争優位性を高めるには、いかに露出を多くするのかしかなく、つまり広告出稿費勝負となります。当然、予算の限られている中小会場は、資本力のある大手には勝てません。私は2010年にリクルートを退社。中小会場の生き残りのためには【自分たちらしさ】というブランディングを根底に作らなければと考え、そのプロセスを踏まえてクリエイティブに携わってきました。昨年のゼクシィ改変によって、資本力の差がそれまで以上にダイレクトに反映されるようになったからこそ、今改めてブランディングの観点が求められています。」
――広告用の写真撮影のみならず、キャプション一つとってもいかに自社らしさにこだわっていけるかということですね。
松木「実際に広告作成の際には、そうした細かな部分にもこだわっています。ゼクシィ誌面では小さく掲載されるキャプションですが、ブランディングの観点から絶対に使ってはいけないという言葉もあります。例えば老舗なのに、トキメキという表現はどう考えても違和感を生じさせる。せっかく数100万円をかけて写真撮影したのに、キャプション部分は人気の会場のコピーを参考に、同じように書いてしまうというケースも見られます。ブランディング視点で判断すれば、写真、言葉も含め使ってはならないもの、してはいけないことを明確にしておかなければならず、それを受け取ったカスタマーに違和感を生じさせてはいけません。」
――伝えたいものを統一化していくためにブランディングという土台になるべき作業が必要ということですね。
松木「ブランディングというと難しく捉えがちですが、私たちは撮影ディレクションの際にそこを意識したアプローチをしています。広告写真を撮影する時には、現実離れしないようにプランナーと一緒に作っていくプロセスを重視。例えば四国の会場では、プランナー全員から新規接客においてどんな話をしているのかをヒアリングしました。特に地方の会場では、マニュアルはあってもプランナーが個々のやり方を重視しているケースも多く、そうした場合自社の強みの捉え方も人によってそれぞれ異なっている可能性も大きくなります。新規接客のトークにも個性が強く出ているままの状態で広告撮影をしても、せっかく集客した後の新規接客はバラバラになり、会場として本来打ち出したいビジュアルを考えることも難しくなります。広告写真による集客から新規接客時のトーク、さらに当日の結婚式まで統一していなければブランディングは崩壊してしまうからこそ、まずプランナー全員の接客トークを確認し、棚卸しをした上で何が正解なのかを考えていきます。自社の本当の強みは何なのかという目線を合わせておけば、誰が接客をしても同じことを伝えるようになり、それこそブランディングの一つのプロセスとなります。」
――ビジュアルだけでなく、商品開発にも対応しています。
松木「広告写真というビジュアルは最終的なアウトプットでしかなく、その前に接客しやすい、成約しやすい商品を提供出来ているかも大切。これもプランナーから意見を集約しながら、例えば結婚式のこのシーンにバーカウンターがあれば成約しやすいという話になれば、マネージャーに購入をお願いし、新たな商品として広告写真を使ってPRしていきます。プランナーからの要望はそもそも売りやすいものでありますし、また自分たちのアイデアが採用されればモチベーション高く販売してくれるようになります。それをアウトプットするのが、撮影という考えです。」
飲食業の成功事例転用
――松木さんは飲食事業という、より競争の過酷な業界で成功を収めています。そこでのブランディングノウハウは、ブライダルにおいても十分に通用するとの想いのようですね。
松木「コロナ禍の2022年に【神楽坂から揚げ 斉唐】をオープン。スカイツリーの麓にある東京ソラマチでも長期催事出店したほか、現在は神楽坂本店とNEWoMan新宿店の2店舗を展開しています。田町で運営しているレストランも含めて、プロモーションコストは一切かけていないにもかかわらず、新規・リピーター共に順調に増えていて、注目店としてメディアでも頻繁に取り上げられています。」松木「から揚げの店は、それこそどこにでもあるレッドオーシャンの業態であるからこそ、差別化していくために守るべきブランディングを重視してきました。まず、から揚げを一つの文化にしていきたいと、ピリ辛やゴルゴンゾーラなどそれぞれ味の異なるソースを付けた9 個セットの【おもたせ】を販売。神楽坂の立地を選んだのも、【おもたせ】と相性のいい花街だったエリアだからです。見たら忘れられないから揚げの箱詰めでMDの特徴を打ち出し、お土産である以上冷めても味が変わらないように薄衣、かつ加工品を一切使わない手作り、国産食材にこだわっています。弁当や単品も販売していますが、【おもたせ】は2500円ながら一日10個以上売れていて、こうした独自性によりテレビなどで紹介される機会も増えています。競合の激しい飲食業でのこの経験から、結婚式場であればもっと容易にブランディングによってファンを作れるという考えを持つようになりました。」
――ブライダル全体の集客が難しい以上、いかにファンを作れるかは重要です。
松木「多くの会場の写真が並んでいる中で、一つ尖った特徴をいかに出していけるか。そのためには、そこで働いている人も、私たちの結婚式場はこうなんだと一言で言えなければならず、ひいてはユーザーに伝わっていきます。地域での認知度を高めながら、自社にしかないオンリーワンの絶対に負けないポイントを伝えていく。【この結婚式場は○○である】とユーザーから語られるためにも、写真だけでなく名刺やユニフォーム、働いている人の雰囲気、ハード、商品など全てのクリエイティブを統一していきます。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月1日・11日号)
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