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最終回〔研修で差がつく!金の卵の育て方〕スタッフ全員が『育成の当事者』に【ノバレーゼ 教育研修部エキスパート 前田歩香氏】

最終回〔研修で差がつく!金の卵の育て方〕スタッフ全員が『育成の当事者』に【ノバレーゼ 教育研修部エキスパート 前田歩香氏】

未来に期待を抱く若手先日、4 月に入社した新卒スタッフに『1 年後の自分に宛てた手紙』を書いてもらいました。カップルとの接客に向けて色々な壁を感じながらも、自分自身を励まし毎日を過ごす、真摯な姿が伝わってきました。「今の私は結構焦っている。先輩のようになれるか不安を感じる」、「毎日覚えることがいっぱいで頭がパンクしそう。先輩に何回も同じことを教えてもらう自分が情けない」、「想像がつかないけれど、1 年後の自分は自信をもって、ウエディングプランナーをしていたい!だから今は走り続けていこう!」

このように葛藤しつつも未来へ期待を抱き奮闘している後輩たちに、私たちは何ができるでしょうか。これまでも人材育成のキーワードとして、みんなで育てる・全社でアプローチすることをお伝えしてきました。金の卵を育てるためには直属の後輩にも、間接的に関わる他部署の後輩に対しても、スタッフ全員が育成の『当事者』となることが大切です。

人材を育成するうえでなくてはならない土台『誰かのために』が根付いているブライダル業界の人であれば、人材育成は自然と湧き上がる気持ちとして行動できます。そのため、『誰かのために』と『人材育成』が結びつくよう、研修を組み立てていくことが重要です。受講生自身が後輩育成の当事者であると気付き、新しい一歩を踏み出す決意を抱いた研修を紹介します。

OJT主担当ではない、入社2 年目(メンター的役割)を対象とした、対話力(聴く力)がテーマの研修です。研修の構成は知識をインプットし、同じ立場の仲間とディスカッションして、今の自分にできることを考えるというシンプルなものです。知識面では、相手の心を開く鍵として『話を聴くときは手を止めて、おヘソを向けて聴く体勢で、最後まで聴く』を実際のシーンと重ね合わせて紹介しました。ディスカッションではどんな先輩から話を聴いてもらいたいか、メンターとして①意識していること、②悩み ・苦戦していることを共有しました。

約1 時間の内容ですが、研修後のレポートではこんな声が寄せられました。「2 年目になっても目の前のことで精一杯。後輩に質問をされても、自分の作業をしながら答えていた」、「忙しい時に後輩から話しかけられ、切羽詰まった様子で返事をしていたのを反省した。後輩は状況も承知の上で声をかけてくれたかもしれない」、「ディスカッションを通じて、どんな時でも人のために行動する素敵な仲間がいることが嬉しいと感じた。後輩と年次が近いからこそ、寄り添える先輩になる!」など。これらを読んで、彼らの姿が本当に頼もしく、私も刺激を受けました。

研修中に「みなさんは当事者です」と明言していませんが、育成の当事者であるという気持ちが芽生えていることが伝わります。この気付きが、全社で人材育成にアプローチする企業文化を育みます。「人の幸せをお手伝いしたい。」その想いをカップルはもちろん、隣にいるスタッフにも向けることで、スタッフが活躍する環境が整い、心を揺さぶる結婚式という時間に繋がっていくのではないでしょうか。

スタッフの定着に対して、研修は特効薬ではありません。しかしコツコツと研修の機会を積み上げ、ブライダル業界で働く価値や仲間の大切さに触れることで、仕事のやりがいや当事者意識など、働く上での土台が整っていくと考えています。結婚式は当日が特別に幸せなことはもちろん、振り返った時にも感動がよみがえり、その先の人生をも照らし続けてくれる時間です。そこに携わる私たちの仕事は、魅力に溢れています。これからもブライダル業界で働く仲間の笑顔が増えますように、引き続き私自身も人事・研修に取り組みたいと思います。これまでご愛読いただき、ありがとうございました。

詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月21日号)