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連載2〔研修で差がつく!金の卵の育て方〕チーム全員で若手を育てていく意識【ノバレーゼ 教育研修部エキスパート 前田歩香氏】
顧客だけでなく仲間にも向き合う
新卒スタッフの入社から4 ヵ月が経過し、各現場では一人前になるための指導が続いているかと思います。弊社でもドレスコーディネーターのスタッフが、接客デビューをしたという嬉しいニュースがありました。連載2 回目の今回は、ノバレーゼが育成において大切にしている『みんなで育てる』をキーワードに、階層別研修の役割をお話させていただきます。
『みんなで育てる』とは育成担当者だけでなく、文字通りチーム全員で育てること。ブライダル業界を選んだ私たちが、相手のために、一生懸命向き合うのは自然なことです。その『相手』とは、カップルや列席者はもちろん、一緒に働く仲間も含まれています。一人ひとりが評価や損得に関係なく、目の前の仲間のために何ができるかを考えて行動するのが、価値のあることなのです。この私たちの強みと育成が自然と結びつくように、階層別研修では『みんなで育てる』の意識を高めていきます。ポイントを3 つにまとめました。
1 つ目は、スタッフを育成する共通の目的認識を持つこと。研修の導入では、「なぜスタッフを育成するか」というワークをします。シンプルなお題ですが、皆さんはこの根底部分を考えたことはあるでしょうか。スタッフを育成することが、なぜ当たり前なのか、育てることでどんなメリットがあるのか。これにより、原点に立ち返れる機会になっています。
教育担当の私自身も、改めて言葉にしてみます。新人を育てることで、指導に関わった先輩も成長しますし、後輩の成長する姿は嬉しく、そして刺激も受けます。新人スタッフの成長スピードと同様に、先輩も成長できているか、自身に矢印を向けることができます。個々の成長は、チームの成長となり、お客様の笑顔や幸せに繋がります。多くのカップルのお手伝いができることは、私たちの喜びです。この素敵なサイクルは、スタッフの成長からスタートするわけです。
2 つ目は、育成への関わり方には役割があること。研修では陸上チームに例えています。①全力で仕事に向き合っている後輩=新人ランナー。②年次の近い若手層の先輩=先輩ランナー。新人の前を走り、背中で見せる。③育成担当の先輩=伴走者。細かい変化に気づき、フォローをする。④管理職=チームを指揮する監督。全員で新人ランナーを育てていますが、関わり方にはそれぞれ特徴があり、それによって少しずつ異なるポイントを客観的に知ることができます。
ポジションの異なる先輩の役割
3 つ目は職種を超えて育成に関わることです。他部署の先輩からの声掛けで、モチベーションが上がった経験談をよく聞きます。例えば、初めてお客様と打合せの日に「いってらっしゃい!美味しい賄いを作っておくよ!」と、調理スタッフの先輩から声をかけてもらった、など。冒頭に申し上げた通り、先輩一人ひとりも育成に向き合い、それぞれのポジションでできることを考えて、関与することが大切です。いつかそんなシーンに遭遇したら自然と行動できるように、『部署が異なる先輩だからこそ、できる育成は何か』をテーマに全員で考えます。育成は業務やスキルを教えるだけではなく、後輩にとって職場が“居場所”となり、安心して仕事に臨める環境を整えることと捉えられます。
以上の3 点により、研修を通じて『みんなで育てる』重要性を体感し、会社全体で育成する文化が育まれていきます。たとえ今、後輩がいなかったとしても、「後輩はいつでも私のところへ!」という、未来への気持ちも高まります。まずは隣にいる仲間の笑顔のために。お客様はそんなスタッフに、自身の結婚式のお手伝いをしてほしいと思うのではないでしょうか。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月21日号)

