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みんなのウェディング×ブライダル産業新聞〔コラボ企画〕対談『口コミを上手に活用する会場をPick Up! 』全員で口コミ内容を共有【The Place of Tokyo 総支配人 鈴木大輔氏】
式場を決定するにあたり、多くのカップルがチェックする口コミ。高評価もあれば、中にはネガティブなものも投稿され、その1つ1つの“声”にどのように向き合っていくかは各式場により差も大きい。今号からスタートするみんなのウェディング(エニマリ/東京都港区)との連載企画では、口コミの活用例、マーケティングへの反映法など、施設が実際に取り組んだ成功事例をエニマリのプロダクト開発本部法人プロダクト部部長・竹中達郎氏との対談形式で紹介。初回はThe Place of Tokyo(東京都港区、以下TPT)の総支配人・鈴木大輔氏が、チームで取り組んだ口コミの向き合い方を語る。
ゲスト評価の回収にも注力
竹中「TPTは2018年2 月時点で、当社の口コミ総合ランキング(東京)が90位。昨年10月には10位まで上昇するなど、右肩上がりで成長を続けてきました。料理部門も2018年4 月は25位だったのに対し、2019年10月から2 年間にわたっては、都内で1 位を獲得していました。」
鈴木「当施設では8 つの委員会を設けてスタッフをアサインしており、その中の1 つが口コミ向上委員会。施設の意識を高めていくことを、主な目的としています。毎月開催している社員総会では、いい口コミはもちろん、ネガティブな内容もスタッフ同士で共有。ランキングの確認に始まり、1 ヵ月間にどれだけの口コミ数がアップされたかもシェアしています。」
竹中「内容はもちろんですが、口コミサイトとして、一定のn数が集まっているのは重要。TPTの特徴として、施行を終えたカップルだけでなく、口コミを回収するのがもっとも難しい招待客からも集めていった点がポイントとして挙げられます。」
鈴木「パーティーが始まる前の、各卓の担当スタッフによる挨拶・自己紹介をはじめ、列席者としっかりとコミュニケーションを図っていく。2 時間半の間で、それこそ名前で呼んでもらえる関係性を目指しています。お見送りの時にはテーブル担当者が出口まで案内し、そこで『ぜひ口コミを書いてほしい』と提案をする。この流れを徹底していきました。」
竹中「ちょっとした工夫かもしれませんが、これを実践するとなるとオペレーションを変える必要性も出てくるため、なかなか実践できない式場も多いわけです。実際に『招待口コミを回収できない』という式場の担当者と話した際に、どうしているかをヒアリングしたところ、引出物の紙袋に案内を入れていると回答していました。やはりそれだけでは、列席者に口コミを書いてもらうのは難しいでしょう。実際にTPTは年間で50件の招待口コミを獲得できていて、これはランキングが急成長する以前と比較すると5 倍の数になっています。鈴木支配人を筆頭に、ゲストからも口コミを集めようというスタッフを含む会場全体の高い意欲が結果に出たと言えますね。」
鈴木「先述の社員総会には、サービスのパートナー企業も参加しています。その総会を通じて会社の方針、理念を落とし込み随時シェアしていく。別会社ではなく、TPTの結婚式を良いものにしていくチームという、価値観を共有できていることが大きい要因でしょう。」
竹中「2018年以降口コミランキングが一気にアップしたわけですが、実際にその効果などは感じられましたか。」 鈴木「料理部門での1 位の反響は大きく、『食事の評判がいいと聞いて』という来館理由が増えました。当施設は料理単価が1 万8000円弱で推移。ここ3 、4 年は、この金額を維持できています。ゲストハウスでこの金額なので、やはり口コミとの関連性は実感できる部分かと。」
全員接客で得たプラスの声
竹中「本番の口コミ評価が高く、下見が低いということは、ブライダルフェアで会場の魅力を訴求しきれていないという可能性が高い。一方で、下見で高いポイントを得ているのに、本番が思ったより伸びないという場合は、下見での期待値が高すぎているということが考えられます。TPTの場合はもともと当日が高評価で、そのトップラインを維持したまま、下見の点数がアップしていきました。新規来館時にはカップルを入り口で迎える全員接客など、オペレーションの改革が数字として現れてきた結果と言えるでしょう。実際に下見の段階で寄せられた口コミを見ると、『熱意が伝わってきた』、『信頼できる』など、なかなか来館の段階で出ないような気持ちのこもった単語も目立つのが特徴的ですね。」
鈴木「サービススタッフを含め、約150名が入っている当施設のLINEのグループがあるのですが、寄せられた口コミをもとに、何が成約の決め手になったのかなどをシェアすることも。『〇〇さんのこんな接客が良かったので』という声もありますから、随時情報共有しています。新規プランナーだけでなくサービススタッフにとっても、『自分の接客が成約の決め手になるかも』といったモチベーションに繋がってきます。」
竹中「ネガティブな意見が寄せられた場合の対応は。」 鈴木「私とマネージャーチームでまずは共有。パートナー企業も含めて、その意見を1 つの“材料”にしながら、毎週ミーティングもしています。」
竹中「上がってきた声に対して、愚直にサービス改善に向き合っていくことはとても重要ですね。例えばドリンクの提供に対して、マイナスなコメントが上がってきたとする。その声をスタッフで共有するまでは多くの式場がやっている一方で、それを『課題』として扱わず、改善の機会を逃しているケースも見られています。TPTの場合は問題が起こった際、根底にある『課題』は何かまで考察できていることが成功の秘訣。“たかがn 1 ”の意見と捉えることもできますが、1 人がそう感じた以上『私もそう思った』という意見が、その裏にたくさん隠れている可能性もゼロではありません。そのn 1 の意見を放っておいてしまうと、“火種”が大きく燃え広がり、大きなクレームになるケースもあるわけです。そこに愚直に向き合ってきたのはTPTの強みですし、そうした会場が更に増えていくと、口コミサイトの運営企業としても嬉しいですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、8月1、11日号)

