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キーマンに聞く

ゲストドレスのEC【小野写真館 代表取締役社長 小野哲人氏】

ゲストドレスのEC【小野写真館 代表取締役社長 小野哲人氏】

 小野写真館(茨城県ひたちなか市)は6月2日、DX推進支援事業を手がけるIT経営ワークスから、ゲストドレスのレンタルECサイト【「Dressy」(ドレッシー)】および衣裳在庫の事業譲渡契約を締結したことを発表した。同社のMAは、2020年の温泉旅館(桐のかほり咲楽)、昨年の赤ちゃんアルバムアプリ(BABY365)に続き3度目。仲介会社を挟まずMAするに至った経緯や、そのメリット、Dressyの今後の展開について、小野哲人社長に聞いた。

低コストでMAが成立

――小野写真館のHPにあるMA特設ページからの問合せは小野社長に直接届くそうですね。

小野「HP経由で仲介会社、直接を含め月数十件以上の案件が来ています。当社のような中小企業であっても想定以上の反響があるため、MAニーズの高まりを感じています。今回の事業譲渡については、M&Aサクシード、BATONZなどMAプラットフォームを検索できるサイト『MANDA』を利用しました。MANDAは、2018年に設立したサイトですが、当社で直接対応する場合には手数料はゼロになるのが特徴。今回はその方法でマッチングしました。」

――仲介なしでのMAは初めての経験だったそうですが。

小野「大手仲介会社の手数料は、最低でも2000万円~2500万円。仮に1 億円規模の案件を買収するだけでも、相応の負担になってきます。そのためこれまではプラットフォーマーを利用してきたのですが、売り手側に仲介業者が付いていた場合、大手よりは安いもののお互いに5%~10%程度の手数料はかかってしまう。7000万円~ 1 億円の会社・事業の買収で、1000万円弱の手数料となるのです。売り手側から考えると、当社の出した金額の中から手数料を支払うことで、せっかくの売却資金も減少してしまいます。通常であれば1 億円の案件に1000万円プラスとして当然1 億1000万円で見積もると思うのですが。 仲介してもらっているメリットはあるものの、MAに関しては、やればやるほどそういった点に疑問も感じていました。」

――今回のMAは一事業の買収であり、譲渡額もそれほど高額ではないため、EC・在庫を購入したという認識でしょうか。

小野「先方は経営的に非常に順調な企業で、新規事業を始めたのがコロナ前と、たまたまタイミング的に悪かっただけです。婚礼ニーズの激減もあったことで、早期に売ろうと判断したわけです。EC自体は結果の出る前段階のフェーズであったため、MAに投じた金額の大半は1000着ほどある在庫分。仮に失敗しても、当社として在庫を手に入れることができ、リアル店舗にも展開できる商材であるため損にはなりません。ECについては、実際に自社でサイトを立ち上げた場合の金額を弾きだし、結論として原価に近い金額です。結果の出ている事業のMAの場合、利益の何倍かで提示するのは基本。今回はそもそも事業として利益の出る前であり、先方からしても購入した初期在庫と、EC投資分を売却することによって、お互いに損をしないレベルになりました。」

 (詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)