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結婚10周年を祝う錫婚式開催【能作 専務取締役 能作千春氏】

結婚10周年を祝う錫婚式開催【能作 専務取締役 能作千春氏】

 錫(すず)製品メーカーの能作(富山県高岡市)は3月24日、結婚10周年を祝う錫婚式を実施する本社内の挙式場をリニューアルし、子ども連れでも安心して利用できるウェルカムルームを新たに設置した。これにより錫婚式プランも一新、予約受付を開始した。2019年に錫婚式をスタート以降、月に3件程度の施行を手掛けてきたが、今回の変更により10件の受注を目標にしている。この事業を統括する専務取締役・能作千春氏に、リニューアルのポイント、新たなセレモニー文化の普及にかける想いを聞いた。

家族全員が参加する儀式に

――挙式場・プランのリニューアルに至った背景とは。

能作「錫婚式スタートから2年が経過しさらに強化したいという想いがあり、昨年末に結婚10周年以内の約500名へ独自調査を実施しました。『結婚10周年の記念日は1 ~ 9 周年に比べ特別に感じる』という回答が95.9%だったのに対し、『錫婚式という風習を知っている』という回答は44.7%と半数以下。まだまだ錫婚式の認知が低いことが明らかになりました。また『能作の錫婚式サービスを10万円以内であればやってみたい』という回答は84.1%に。これまで実施してきた人の満足度も高く、他の記念日よりもお金を使おうとは考えているものの、従来の30万円、40万円の価格は簡単に出せないということも分かりました。そこで普及のためにも、まずは金額を抑えていく。プランを変更して、8 万円から式を実施できるようしています。」

能作「錫婚式で家族が大切にしたいものは何なのかという点と、当社として外せないものを考え、挙式と食事と体験の3 つをセットに基本プランを設けました。体験は子どもも含めた家族のみんなで、錫100%製の箸置を製作する30分のワークショップですが、特に旦那さん、子どもたちから一番楽しかったという声が寄せられていたからこそ外せないと。合わせてオプションという形で、プラス5万円で100カットのデータとメモリアルブックがついたフォト撮影。今まではブライダル関係のカメラマンに依頼していたのを、モノ作りメーカーとしてのテイストを表現してくれるクリエイティブな人に変更しています。そのほかプラス20万円で衣裳とメイクが付きます。このオプションをトータルすると33万円で、これまでと変わりはない金額になります。つまり絶対に必要なもの、希望に応じて対応するものを分解することで、すそ野を広げていくという意識です。」

――合わせて、挙式場もリニューアルしたそうですが。

能作「もともとは、本社にあるアーカイブが並んでいたスペースを使用して、毎回バージンロードを敷き簡易的に式場としていました。儀式にもっとこだわりたいということで、著名な家具デザイナーに設計デザインを依頼。錫色の上品で落ち着いた輝きを放つ空間で、家族だけのプライベート挙式を行うことのできる専用の式場を新たに作りました。壁には錫の壁紙を張り巡らせ、サークル状に祭壇を囲んでいます。床には絨毯を敷くことで、小さな子どもがいても安心して参加できるような配慮もしています。」

――儀式も見直しました。

能作「ダーズンローズと同じような、10周年にふさわしい10フラワーの儀式があります。10本の花をリボンで巻きブーケにして、奥さんにプレゼントするものですが、もう少し意味を持たせようと。事前に子どもの生まれた年を聞いておき、仮に結婚3 年目であれば3 本目の花は子どもからお父さんに渡す。また1 本は奥さんから旦那さんに、ブートニアとして渡すことで、お互いに贈り合う形に。10年目だから単に10本ではなく、お互いを想い、さらに子供の生まれた年も思い返してほしいという願いを込めています。子供も含めた、家族全員が参加できる式となっています。」

能作「錫に誓いの刻印をする儀式は、子どもも一緒に参加して錫の板を叩き、それを新たに作ったメモリアルボックスにブートニアと一緒に入れます。流れとして食事もあるのですが、食べ終わった後にそれぞれが10年後に向けたメッセージを書き、それもボックスに入れておく。10周年だけでなく、10年後に向けた想いも残すためです。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月11日号)