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来期枠の90%を受注【東京會舘 常務取締役 営業本部副本部長 星野昌宏氏】
コロナ禍でも好調な東京會舘(東京都千代田区)の常務取締役・星野昌宏氏のインタビュー後編は、少人数傾向に一線を画す同社の取り組み。受注段階でのブッキングコントロールを重視し、通常帯と明確に区分け。結果として来期の平均列席数も、80~90名で推移している。
単価も30万円以上アップ
――すでに来期(2022年4 月~23年3 月)の受注も、順調に積み上がっているようですね。
星野「全体の90%は、ブッキングが完了しています。前年12月時点での数字を見ても、コロナ前の2019年(2020年度)の件数と比べて、2023年度はプラス60件。単価に関しても、全般的に30~40万円上昇し、人数も85~90名と増加しています。」
――受注の回復はもちろんですが、人数帯や単価がアップしているのは特筆されます。
星野「単価アップの要因として1 つは、新規時にスカスカの見積りにしないことを全体に浸透させたことで、受注時の単価が上昇しました。一つひとつのアイテム単価についても、例えばドレスであればこれまで25万円だったのが、現在では35~40万円以上になっています。もう一つは、受注を明確に選別しています。ブッキングに関して、例えば『ロイヤル』というバンケットであれば91名以上、『桜』、『リステリア』、『マグノリア』も64名以上のみを成約とみなす。人数のブッキングコントロールを適切に運用し、それを下回る受注は許可していません。実際に40名未満の場合は、婚礼としてのカウントからも外していますので。社内的にも、オンハンドが何件、40名未満は何件、合計で何件という報告の仕方を徹底しています。昨年の12月には、全エージェントに対して、60名未満の送客は特典の対象外であることも通達しました。40名以下の予約の際は、電話の段階で土日祝日の18時以降、または平日であれば案内可能ということもあらかじめ伝えています。」
――少人数化傾向の中、思い切った手を打っていますね。
星野「苦しくなるとフォト婚や少人数なども受注していこうと思いがちですが、各パートナー企業に繋がっていることを考慮すれば、場の価値を維持しながら一定規模の結婚式を取ることが必要でありそれが会場の責任でもあります。仮に少人数でドレスは1着、カメラマンも頼まなかったとなれば、当社が1 日を通じて提供できる価値の半分にも満たないことをきちんと説明しています。我々の結婚式の価値を余す所なく体感してもらうためにも、やはり目標の大人数にこだわっていくべき。そうなればパートナーに対しても一定の売上を提供でき、モチベーションアップにも繋がります。パートナーと協議し商品を良くしていこうということと、我々の受注は表裏一体の関係。一定の売上があり現場のことを深く理解しているという認識があるからこそ、私の思い付きの商品提案にも協力してくれるわけです。パートナーの協力によって、東京會舘の結婚式のクオリティ自体がどんどん高まっていくという好循環も生まれる。ほかにも、当社に合ったスタッフの入れ替えといった要望に関しても、説得力が高まり、それが結果として健全な協賛になるわけです。」
不利な状況からスタート
――今年は100周年の記念の年です。100周年記念のメニューも設定するなど、単価アップはさらに進みそうですね。
星野「初期見積もりの段階から、100周年記念料理を入れる人はあまりいません。というのも、他の会場の見積もりの平均が1万5000円~ 1 万8000円ですから、そこで記念コースの2 万3000円を入れると、あまりにも価格差が出てしまいます。ただ、次年度のメニューになるため、すでに半年前から成約者向けの試食会で食べる機会を提供しています。当社の試食会は1 人1万円で提供していますが、新郎新婦の家族の顔合わせの代わりで使ってもらっても結構ですというスタンスで、毎回150~200名が参加しています。約10%が親を連れてきていて、中には祖父母も一緒に訪れテーブル8 名全員が両家といったことも。ここでキャプテンが接客に出て、取り分けなどをしながら料理説明をしていくことによって、自ずと100周年記念料理の受注率も高まっています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月21日号)

