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2泊3日の旅館ウエディング開催【小野写真館 代表取締役社長 小野哲人氏】

2泊3日の旅館ウエディング開催【小野写真館 代表取締役社長 小野哲人氏】

小野写真館(茨城県ひたちなか市)は昨年10月、事業承継プラットフォーム『ビズリーチ・サクシード』を通じて、静岡県河津町にある露天風呂付き高級温泉旅館【桐のかほり 咲楽】を買収し、宿泊事業に乗り出した。2月22日~24日には新郎新婦と親族10名による、同社初の結婚式を開催。宿泊、料理のほか、ドレス、ヘアメイクなどの美容、フォト撮影、アルバム提供を含め価格は170万円。2泊3日の全館貸切ウエディングプランを提供した。ここでは、結婚式実施に至るまでの経緯を紹介。また代表取締役社長の小野哲人氏に、今後の可能性などを聞いた。

新郎新婦は茨城県在住で、伊豆にはゆかりのないカップル。もともと結婚式は茨城での開催を予定していたが、新郎の家族が関西在住のため、コロナ禍で首都圏をまたいでの移動に不安があった。そこでいったんカップルのみのフォトウエディングを検討し、アフターコロナに挙式をしようということで、小野写真館を訪れてきた。それを聞いた同社スタッフが、咲楽でのウエディングを提案。カップルは結婚式だけでなく、双方の両親に旅行と宿泊をプレゼントできることにメリットを感じたという。1月の緊急事態宣言があり、不安があったものの、全館貸切であれば感染リスクも少ないため、2月には両家家族全員10名の参加が決定した。

1日目は露天風呂併設の個室でくつろぎ、夕食には伊豆産の食材を使用した和食膳を提供。初めて顔合わせをする、親族紹介も兼ねた会食となった。

2日目は近隣の神社で、神前式を開催して写真撮影。その後旅館に戻り、オリジナルフレンチフルコース『祝膳(いわいぜん)』を提供。新郎の両親が農業を営んでいることから、米や畑で収穫した5種類ほどの野菜を使用。新婦の地元からはタコ、ハマグリなどの海鮮を調達し、独自のメニューを考案した。

3日目は最盛期を迎えた河津桜の前でウエディングフォト撮影を実施。帰りの際、新郎新婦からのお土産としてカステラが親族にプレゼントされた。カメラマンが3日間密着し撮影したデータをもとに作成したアルバムは、後日の送付となる。

「新郎新婦に満足してもらえるよう、様々な演出を提案しました。初めて顔を合わせる家族の交流のきっかけになるよう、旅館の各所に新郎新婦の子供時代のアルバムを置く企画を提案しました。披露宴でよくあるわけですが、2時間半の多人数のパーティでは目に留まる機会が少ない。今回は滞在時間が長いため、立ち止まってアルバムを見ながらカップルについて語り合う家族の姿が見られました。また神前式後は、スタッフのサプライズによる人前式も提供。椿の木にそれまで撮影した写真を飾り付け、旅館の庭を会場としてセッティング。タブレットと使ってオンラインで友人と繋ぎ、歓談の時間を設けました。」(ブライダル事業本部サブマネージャ・多田彰氏)

 

≪小野社長に聞く≫

――初施行が無事終了し、今後の展開も期待されます。

小野「3月2日から、本格的にウエディングの受注を開始しました。咲楽と当社HPで情報発信し、リリースも順次発表。初施行については多数のメディアが取り上げたため、注目度が高まっています。1月31日には、当社ロケフォトブランドの5店舗目となる、『アンシャンテ伊豆』をオープン。日本で1番早く開花する河津桜エリア、伊豆半島全域で1日1組限定のウエディングフォト専門スタジオとして展開していきます。緊急事態宣言の再発令で、ロケフォト事業は80%がキャンセルになったことで、当初の予定より早くオープンしました。3月末までの受注は、首都圏からすでに20組を獲得しており、そのうち80%がZoomでの新規獲得。非常に効率も良く、ウエディングフォト事業としては順調な滑り出しと言えるでしょう。咲楽に宿泊を希望するカップルもいることから、旅館とフォトスタジオの2つを軸に、ゆくゆくは宿泊付きのウエディングフォトとして事業展開を目指します。フォトの平均単価は15~20万円で、旅館は1泊8万円。ユーザーの予算次第ではあるものの、初施行が2泊3日のプランだったことも踏まえ、今後は『2泊3日の宿泊+ウエディングフォト』をフォーマットにしていきます。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月11日号)