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来期に累損解消目指す【タメニー 代表取締役社長 佐藤茂氏】
婚活大手のパートナーエージェントは昨年10月、社名をタメニー(東京都品川区)に変更。2019年にグループ化したスマ婚事業との2本柱を掲げている。ところがコロナの影響によりウエディング事業が激減し、11月に発表した今期の上半期決算では債務超過に転じるなど、厳しい状況を迎えている。代表取締役社長の佐藤茂氏は、累損解消、借入返済に向け、4月から始まる来期の復活シナリオを描く。ここでは、スマ婚の構造改革と今後の展開、婚活の可能性を紹介する。
安さ追求で契約率上昇
――今期(3月決算)の第2四半期決算発表で、債務超過となりました。それだけコロナの影響が大きかったと考えられますが。
佐藤「前期(2020年度)のウエディング事業については、スマ婚がグループ化後1.4倍に伸びたことで、今期は50億円の売上を見込んでいました。昨年春の緊急事態宣言によって、400組あった4~6月の施行は95%がキャンセル、延期に。そのうちキャンセル比率も30%に達しました。その後9 月~12月については前年比で60%にまで戻ってきましたが、今年に入っての緊急事態宣言により、当該地域では再度の日程変更となっています。例えば3月に関しても、今年度の新規受注だけでも80組あったのですが、コロナの影響で今後は不透明です。一方婚活については、前期は10%程度伸び、今期も数字は戻ってきています。とはいっても、ウエディング部門の減収減益が響き、全体では厳しい数値となっています。現在は、22年度に今期損失に係る累損解消、23年度で借入返済を目指しています。」
――スマ婚については、佐藤社長自らウエディング本部長になり、改革を進めてきました。
佐藤「スマ婚は2009年の50億円の売上をピークにシュリンクし、グループ化直前には30億円まで落ち込み、3年連続の赤字という状態でした。この立て直しのために1年できちんとした基盤を作ろうと、まず半年かけて給与や社内規定などを整備。その後半年で業務面にも着手し、マニュアル作成や文書管理、帳票の整理などを実施したことで業績も高まっていました。さらに昨年8 月から着手したのが、利益の見直しです。というのも、接客契約率が以前の40%から30%にまで落ち込んでいたのですが、その理由を探ったところ、実はスマ婚は安くないということが判明しました。ホテルやレストランからの料飲の仕入れに対して、以前は8000円の利益を加算して販売していたのですが、それがどんどん上がっていき蓋を開けてみると1万6000円にまでなっていたのです。業績が厳しくなっていくにつれ、稼がなくてはいけないと利益を上乗せして取りすぎていたわけです。そうなると、当然販売料金も高まり、結果としてスマ婚は安くないと契約率も下がっていきます。この部分を見直し、どこよりも安く提供するためのギリギリの利益まで落としました。粗利率は全体で2%下がるわけですが、その分契約率を伸ばすことでカバー。契約率は45%にまで回復しました。どこよりも安く提供するという優位性を再構築したことで、今期はさらなる売上増も見込んでいたのですが、コロナによってその計画も崩れました。ただ、この料金がスマ婚の基盤にもなりますので、必要な見直しだったと考えています。」
――今期からは、ソフト面の拡充も考えていたそうですが。
佐藤「ホテルやレストランなど幅広いバリエーションの会場を提供できる、しかもどこよりも安いというハードを構築したことで、次にソフトの拡充を計画していました。具体的には、料理や装飾などのクオリティを高めていくという取り組みです。例えば花についても、それ以前は1社と10年以上取引をしていたため、他の会社の新しい提案などを受けることもありませんでした。これを見直し、新たな提携先を積極的に開拓していくことで、クオリティを高めていこうと。スマ婚のブランド名の認知度は80%以上あるのですが、その価値が明確に伝わっていませんでした。そこでブランドコンセプトを【安くて美しい】に変更し、価値を伝えていくためにソフト強化を掲げました。その一環として、人材育成も大事になってくるわけです。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、1月21日号)

