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最終回〔Yumi Katsura千里眼〕通常挙式とシビルWの融合(ユミカツラインターナショナル 代表取締役社長・デザイナー 桂由美氏)
2020年は新型コロナの感染拡大に翻弄された一年であった。ブライダル業界も、コロナによって大きな変化を余儀なくされた。結婚式を実施したくても出来ない花嫁が増加した中で、桂由美氏は何を思うのか。千里眼最終回の今回は、花嫁の思考が大きく変化する中で、2021年に向けてどのような対応が考えられるのか。さらに時代のニーズに合わせたドレス展開などを紹介していく。
――コロナの影響で結婚式開催に不安を抱く花嫁が増えていますが、挙式とパーティを別日に開催するという選択をする人も出ています。だからこそ、挙式のクオリティを高める必要性が重要だと考えられます。
桂「日本ではこれまで、挙式と披露宴を同日に同じ場所で実施していましたが、感染対策の側面から別日に開催するという意識が高まっています。ユミカツラのドレスを着用する花嫁からも、まずは親族だけで儀式を開催。もう少し感染が落ち着いた段階で多くの人数を集めた披露宴を実施するという声が増えており、それは素晴らしい案だと話しています。そうなった場合、わざわざ別日にしてでも、挙式を開催する意義をきちんと伝えていかなければなりません。そもそも欧米では、法的な手続きである役所での儀式と、教会での宗教的な挙式の2回実施していました。法的手続きの役所の儀式については、国によっても様々で、裁判所などで儀式を開催するというケースもあります。二人が結婚することを2週間市役所に掲示し、その間に異議申し立てを受け付けるという歴史の国もあります。一方、日本ではどうか。それこそ役所への届け出を、郵送でも受け付けるというスタイルです。しかし、届け出が済んで法律上婚姻が成立したということこそ、現代の結婚式としてふさわしいと考え、これを行政でなく民間で行っているオーストラリアの例などを参考に、20年前からシビルウエディング(市民結婚式)を日本で提唱してきました。日本の役所は、こうした文化を推進する考えを持っていない現状ですから。」
桂「法的な儀式、宗教的な儀式を2回にわたって実施していた欧米でも、現在は宗教的な儀式を開催する割合がどんどん減少しています。日本においても役所が積極的でない以上、2回開催するには当然負担もかかります。そこで考えられるのが、神社挙式や通常のチャペル挙式との融合です。これは神社にも提案していることですが、まずは伝統的な神前挙式を実施する。その後にシビルウエディングの要素である、法的に二人が結婚したということを祝福するものを加えたらどうですかと。役所から婚姻届受理証明書を発行してもらい、それを神前で御祈祷する。さらに神主は挙式での決まりきった祝詞だけでなく、その後に新郎新婦に沿ったオリジナルの祝福の言葉をかける。これはチャペル式でも同様にやれることです。法的な証明と共に、聖書には寄らない言葉で祝辞を贈ることにより、一つ一つの結婚式がよりパーソナルかつ、オリジナルになり、挙式のクオリティも高まっていくでしょう。」
――12月には、葛飾区で区民結婚式も開催します。
桂「婚姻届受理証明書をきちんと読んで二人に渡す役割を、頼まれています。現在、未婚少子化はどの地域でも大きな課題となっています。その点からも、本来は通常対応として、役所でこうした儀式を開催すればいいのではと思うのですが、現実的に人の問題などもありなかなか難しい。だからこそ、神社や、チャペルを併設している会場が、シビルウエディングとの融合を積極的に検討すべきでしょう。2人のためのオリジナルな祝辞を述べるためには、事前に2人の話をよく聞かなければなりません。それが挙式に感動を与え、実施してよかった、参加して心が動かされたという気持ちになるのです。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月1日号)

