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実践型アカデミー『K+』を開講【ワイケープロデュース アカデミー K+ 統括責任者 神谷 知和氏】
婚礼写真・映像撮影のワイケープロデュース(東京都渋谷区)は来年1月、基礎知識から撮影、編集までを学べ、現場で活躍できるフォト・ビデオグラファーを4ヵ月で育成する実践型アカデミー【K+(ケープラス)】を開講する。現役で活躍するクリエイターから直接指導を受けられるもので、スキルの高い人材輩出と同時に、人手不足の解消を目指す。「業界の底上げに繋げたい」と話す、アカデミーの統括責任者・神谷知和氏の企画への想いとは。
人材不足の課題を解消
――来年1月からスタートするアカデミー『K+』の、企画の背景は。神谷「構想開始は数年前。現場を支えてきたクリエイターの高齢化に加え、特にコロナ以降はブライダル業界全体で人材不足が課題となっています。また、プランナーやドレスコーディネーターを目指せる専門学校は多く、カメラの技術を習得できる学校もある一方で、婚礼写真・映像に特化して学べるスクールはないのが現状。婚礼現場は分刻みの進行での撮影となり、新郎新婦とゲストとのコミュニケーションも必須ですから、同じ写真とは言え、例えば広告撮影などとは異なるスキルも求められます。当社は全国各地の式場と提携を結んでおり、そのネットワークと25年間蓄積してきたノウハウを活かし、スキルの高い人材を育成したいと企画に至りました。」
――アカデミーの概要は。
神谷「イメージとしては、未経験者をプロへ導く、次世代クリエイターの教育機関。婚礼写真・映像に興味はあったものの、その世界に飛び込む機会がなかった人たちを主な対象としており、カメラの基礎知識・経験は必須条件としていません。カップル・ゲストの大切な一瞬を収める仕事ですから、未経験でも高い意欲を持っているかは極めて重要。モチベーションを重視し、入校の“ジャッジ”をしていきます。この道に進む上で“壁”になりやすいのは、機材の調達です。カメラ本体、レンズに加え備品を一式全て揃えるとなると100万円以上になるケースもありますから、背中を押す意味で、まずは受講料無料、機材も全て貸し出しで運営していきます。当社としてもアカデミー運営の実績をまずは構築しながら、ゆくゆくは収益化を目指していければ。先行投資が必要ないというのもあって、1期生の受講希望は100人を超えるなど、好調なスタートとなっています。」
現場で実践スキルを磨く
――カリキュラムの概要は。
神谷「当社で構築してきた『実践型育成モデル』を採用し、コースは①フォトグラファー、撮って出しエンドロールの②撮影、③編集、④記録ビデオの撮影の4つを用意しています。毎週木曜日のオンライン講座に加え、2ヵ月目以降の週末は居住エリア近隣の式場で現場実習も実施。データを指定の期日までに提出しフィードバック、スキルを磨いていく流れです。社会人の参加も想定しており、講義は19時からに設定。例えばフォトグラファーコースは、機材の基本操作からレタッチ、ホスピタリティの重要性なども含め一貫して学べるプログラムとなっています。デビュー試験を経て、5ヵ月目以降、写真・映像のクリエイターとして活躍できるフローです。」
神谷「デビューが前提ですので、現場実習は必要不可欠。私自身も元々は広告撮影の世界いましたが、広告であれば事前に準備をしたうえで、スペースを確保し機材をセットできる。一方婚礼は、そもそも新郎新婦・ゲストともに待ってはくれませんし、ライトのセット・撤去なども全て1人でかつ短時間でこなさなければならない。もっとも、同じ場所でも天候などによって明るさなどに差は出ますから、婚礼写真・映像のスキル向上は、現場で場数を踏んでいくことに尽きるわけです。講師を務めるのは、当社の現役トップクリエイターたち。先日も『ASIAWPA』という世界的な写真・映像のアワードで入賞も果たしました。こうした実績は、受講生にとって分かりやすい指標の1つ。そのスキル、ノウハウを持つ企業から学べるというのは、魅力に映ると感じています。」
――デビュー後の流れは。
神谷「状況などにもよりますが、当社から年間100件程度の業務を依頼していく予定。習得したスキルを、仕事に繋げられるフローを用意しています。当社としてもスキルの高い即戦力人材を確保できますし、いい写真・映像を残せるクリエイターが増えることは、アルバム発注からの単価アップといったメリットはもちろん、SNSを通じて情報収集するカップルも多いこの時代、業界にとってもプラスです。現時点では“養成所スタイル”での運営を中心としていますが、今後は単発講座、講師選択型カリキュラムなど、柔軟な対応も視野に入れ
ていきます。将来的には当社提携会場に限らず、全国の現場で活躍できるクリエイターを輩出できれば。これまでの25年間、累計30万組の婚礼撮影に対応してきた当社のノウハウをしっかり落とし込み、アカデミーを通じ業界全体の底上げに繋げていけたら嬉しいですね。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月1日号)

