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キーマンに聞く

~Serviceの世界 連載3~サービスはホテルの魅力を伝えるセールス【スギハラサービスクリエイツ千葉支店 成田地区 総責任者 椎名可知氏】

~Serviceの世界 連載3~サービスはホテルの魅力を伝えるセールス【スギハラサービスクリエイツ千葉支店 成田地区 総責任者 椎名可知氏】

  スギハラサービスクリエイツ千葉支店(千葉県船橋市)で成田地区の総責任者を務める椎名可知氏。ラディソンホテル成田、インターナショナルガーデンホテル成田を統括し、スタッフの管理及びANAクラウンプラザホテルの責任者と情報共有しスタッフのワークシェアリングをフォロー、支店との連携を強化している。キャリアのスタートは大学1年時、同社にアルバイトとして入社したのがきっかけだった。そのまま就職し、現在27年目となる。サービスは地道な積み重ねで、常に進化をし続ける仕事だと魅力を語る。初心を忘れず、誠心誠意ゲストに向き合うことで、信頼の獲得につなげている。サービスの仕事に対する心がけとは、話を聞いた。

 【サービスの仕事】
 「求められることを常に先回りするようにしています。例えば、左利きだと分かれば、左手で取りやすいように皿を置くなど。こうした対応は、経験によりレベルも高められます。例えば、お肉をカットできない年配のゲストがいた場合。サービスマンとしてのレベル1は箸を渡す。レベル2は、キッチンでカットして提供するように指示をします。レベル3になると、あえて顧客の目の前で切り分けることで、パフォーマンスにすることもできます。」
 【サービスマンの心構え】
 「若いころは無我夢中で、一つ一つ研鑽を積み重ねた結果、今があると思っていますが、慢心には気を付けています。特に注意するのが身だしなみ。基本的なことですが、爪を切ったり靴を磨くなど、年齢を重ねるほど清潔感に気を付けるようになりました。今は、ヘアを自然なグレーにするか、黒染めするかで悩んでいます(笑)。」
 「スマートなサービスとは、機械的に素早く行うことだと思っていた時期もありました。当時の上司から『もう少しゲストに声をかけないと嫌われてしまうよ』と言葉をかけられ気付かされたことも。それからは、天気、ニュースなどを常にチェックし、他愛もない雑談を大切にしています。」
 【結婚式、現場の魅力】
 「サービスをはじめ、キッチン、プランナーなどチームで作る達成感が魅力です。長い準備期間があっても、やはり本番の2時間半が勝負です。私たちはサービスマンであるとともにセールスマンでもあります。サービスを通してホテルの魅力を伝えて、再来館に繋げることができます。子供の出席者にも気は抜けません。『あのお兄さん、お姉さんが結婚したホテルがよかった』と思ってもらえれば、その後両親や祖父母と食事に来てくれるかもしれませんから。」
 「20年前、プールサイドでの二次会を担当したことがありました。新郎を胴上げし、プールに落とす演出があったのですが、その拍子に水の中に指輪を落としてしまいました。新郎新婦は顔面蒼白。夕暮れで暗くなってきた中、友人たちが総出で捜索しているのを見て、私もすぐにスポットライトを運んできて、水面を照らすなどサポートしました。見つかったときは我が事のように嬉しかったものです。これも望まれることを先回りするというひとつの事例です。」
 【リーダーとしての心がけ】
 「スタッフの多くは学生。社会人になる前に出会う、小うるさいおじさんでいたいと思っています(笑)。たくさんの小言も、何10年後かに『自分のためだった』と分かってほしいですね。ただ、注意はしても、怒らないようにしています。怒ってしまうと、相手にも不快感を与え、結果としてモチベーションを下げます。スタッフがミスをしても言葉を荒らげず、自分が顧客の立場ならどう思うかなどを注意しています。」
 【プロフェッショナルのこだわり】
 「この仕事は、心身ともに健康でないとできませんから、体調には気を使っています。特に冬場はインフルエンザや風邪が流行るので、手洗いうがいはもちろん、マルチビタミンやエキセナアなどのサプリを飲んでいます。」
 【失敗から学んだこと】
 「サラダを提供し忘れてしまったり、引き出物の渡し間違いなど失敗は数多くありました。すべてにおいて共通していることは、気が付いた時に素早く謝ることです。例えば料理を顧客にかけてしまった時、若い人は初々しく誠心誠意謝ることができ、ゲストも『いいよいいよ』と許してくれる場合も多い。しかし年を重ねると、謝り方にこなれた感じが出てくることも。それが顧客を不愉快にさせるケースもありますから、特に注意しています。初心を忘れず、いつまでも若手時代のように誠心誠意謝罪するようにしています。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、6月11日号)