LISTEN to KEYMAN

キーマンに聞く

~Serviceの世界 連載1~「素晴らしい結婚式にしたい」気持ち【[スギハラサービスクリエイツ]ANAインターコンチネンタルホテル東京 宴会サービス チーフ 立花敏光氏】

~Serviceの世界 連載1~「素晴らしい結婚式にしたい」気持ち【[スギハラサービスクリエイツ]ANAインターコンチネンタルホテル東京 宴会サービス チーフ 立花敏光氏】

 ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)の宴会サービス チーフを務める立花敏光氏。18歳で上京し、24歳の時、スギハラサービスクリエイツに入社。同ホテルに勤めて30年以上になる。数多くのウエディングの披露宴、一般、企業宴会のサービスに携わり、現在は会場スタッフの育成、手配、調整業務をメインとしている。今では営業担当を通さずゲストから「立花さん、また宜しくお願いします」と指名で宴会を受注することも少なくない。立花氏が考えるサービスの仕事の魅力、この仕事ならではの『気づき』とは、話を聞いた。

【サービスの仕事】
「私がホテルに入社した当時は、配ぜん人としてプライドを持っている人が多かったものです。当時はオードブル、スープなどコース料理のすべてを顧客の目の前で取り分けていました。私も何度も練習し、初めて担当した時には非常に緊張しました。それだけテクニックが必要であり、だからこそ自らのサービスに自信を持っている人が多かったわけです。今はこうしたテクニックはなくても、現場に出られるようになりました。サービスの仕事の内容自体はそれほど難しいものではありません。言ってしまえば料理を出す単純な仕事ですが、だからこそ大切なのは気持ちです。顧客にどうしたら喜んでもらえるのかを追求していくことだと思います。」
【サービスマンの心構え】
「おもてなしは当たり前のこと。さらに気配り、目配り、立ち振る舞いがどうか。スマートなサービス、機敏な動き、立ち方、笑顔、声かけなど今日初めて現場に出た人でもできること。つまり気持ちの問題であり、こうした部分を忘れずにいることが重要です。もっとも、この気持ちが難しい。毎回同じサービスをしていると、慢心や慣れが生じ、ルーズになってきます。結婚式であれば、二人にとって一生に一度の大事なイベントなわけです。キャプテンがその気持ちを持って一生懸命やっていれば、若いスタッフ達に伝わります。」
【結婚式、現場の魅力】
「当日、初顔合わせで進んでいくのが結婚式のサービスです。披露宴の2時間半、素晴らしい結婚式にしたいという心が伝われば、新郎新婦や両親から感謝の言葉を贈られることもあります。20年前、キャプテンとしてデビューしたばかりのころ、車いすの新婦さんの結婚式を担当しました。ハンデがあることを気にしたほうがいいのか。私も初めてでしたし、さまざまな場面を想定しました。結果的には、本人たちは披露宴を存分に楽しみ、ゲストとも積極的にコミュニケーションをとっていました。考えすぎていたわけですが、その時はとにかく夢中で、一生懸命でした。もちろん結婚式を迎えるまでに、両親はもちろん、本人たちには様々なストーリーがあったでしょう。それでもゲストを始め、担当したスタッフも含めて全員が祝福の心で一つになりました。今でも心に残っています。」
【キャプテンとしての責任】
「以前、挙式での証明書に書く牧師の名前を間違えていたことがありました。宣教団のミスでしたが、そこを含めてケアするのがキャプテンです。他セクションで何かあれば、すべて披露宴に繋がります。だからこそ、メインである披露宴時間以外にも気を配り、情報を集め時にはその場で判断していくことも大切です。それだけの責任に、遣り甲斐を感じられるかどうか。プレッシャーを感じながらそれすらも楽しむという意識でなければ、いい披露宴はできません。」
【プロフェッショナルのこだわり】
「一般宴会について、例えば、ステージ周りのケアは、営業スタッフでは書面に落とせない細かいことが多々あります。式次第は決まっていても、実際にどのタイミングで演台を出す、下げる、来賓を案内する、さらに誘導経路など。例えば製薬会社は、MCの来賓紹介のコメントが終わったタイミングですぐに話せるよう演台に案内し、スピーチ終了後にはとにかく早く席に座れるようにします。忙しいドクターに対し、時間を一秒でも無駄にしたくないという、製薬会社ならではの気遣いです。こうしたタイミングや気配りのポイントは業種ごとに特性があります。そこに対応することで、幹事さんから『ありがとう』と言われ、それが何回も続けば、営業をスキップして、直接仕事を依頼されることもあります。5月にはこうした指名を受けていますが、まさに配ぜん人冥利です。」
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、4月11日号)