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連載2≪ヒト売り時代のセールス講座≫「美味しい」の言葉以外で料理を表現する学び【VIVACE st 代表 衣川 雅代氏】

連載2≪ヒト売り時代のセールス講座≫「美味しい」の言葉以外で料理を表現する学び【VIVACE st 代表 衣川 雅代氏】

料理に関して、例えば新規で「この後試食があるので、そこで分かります」という丸投げ発言していませんか。打合せでも「人気がある」、「美味しい」の二つだけを使いこなしてアップセルを図ろうとする人は多いのではないでしょうか。試食は顧客にとって必要な体験であるものの、やはりプランナーとしては試食前に期待値を上げ、試食後に決断に至るまでのフォローは大切なことです。

まずは料理を表現するときに、新規でも打合せでも「美味しい」という言葉を使わないでどれだけ語れるかは大事なポイントです。特にメインの肉料理は一番おすすめ度も高く、アップセルできれば売上貢献度も大きい。肉料理を「美味しい」の言葉以外で美味しさを表現するトレーニングをします。

その前提として必要なのは、プランナーが実際に試食をしているかどうか。コロナ禍以降の経費削減で、プランナーの試食を取りやめる会場も増えています。実は食べたことがないというプランナーも多く、それでは美味しい以外の表現は到底できません。マネジメント層には豊かなトークを生みだすためにも、プランナーの試食をお願いしたいです。

試食によってただ「美味しい」だけではなく、柔らかさ、香り、口に入れたときの味わいも実体験できます。それを打合せで再現して話をすれば、すぐに効果は現れます。「自分の結婚式の時には、絶対にこの料理は入れたいです!!」と、目を輝かせながら自分の言葉として話すようになります。

美味しい以外の表現の一つとして、調理工程があります。特に大事な部分は、シェフに聞いて勉強をしておきます。肉は熟成させることも多いため、何日前から手入れしているのか、焼き方もこんなやり方にこだわっている。ソース1 つとっても、何日もかけて仕上げているでしょうから、そこはしっかり把握しておかなければなりません。

そのためにも、シェフ、調理セクションのスタッフとのコミュニケーションの機会は重要です。自分たちには出来ない技術を持った人たちに対して、教えてもらう場をあえて作っていきます。その方法として、新入社員が配属された時に、2日間でもキッチンに入って研修をするのもいいでしょう。キッチンで共に働くことで、様々なこだわりを間近で見られますし、さらにキッチンスタッフとのコミュニケーションが円滑になれば、プランナーとしてデビューする場合にも応援してくれるようになります。

また料理の理解を高める場には、サービスキャプテンにも入ってもらいます。サービス現場で、こんな反応があるなどリアルな評価も知っていますから。3 セクションが集合した勉強会は、プランナーにとっても様々な気付きの機会になります。

 

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1日号)