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経営者がおさえておくべきCRMのポイント#4~式後のカップルと自社を繋ぐメールマーケティングの成功事例~(テイクアンドギヴ・ニーズ 新規事業開発部長岩田 能氏)

経営者がおさえておくべきCRMのポイント#4~式後のカップルと自社を繋ぐメールマーケティングの成功事例~(テイクアンドギヴ・ニーズ 新規事業開発部長岩田 能氏)

 皆さんこんにちは。連載4回目の今回は、メールマーケティング(MM)を利用した挙式後のカップルとのコミュニケーションについてお話しします。
 

当社では常時約100パターンのシナリオを用意して、新郎新婦、また挙式後の顧客へメールでの連絡が飛び交う状態を維持するようにしています。そのシナリオのいくつかはこれまでの連載で紹介したものですが、例えばとある一日には、前日にWebで新規の来館予約をしたカップルへ内容確認の連絡、来館予約のある新郎新婦にはリマインド、キャンセルになってしまった場合は自社近隣店舗のフェアの案内が配信されています。
 さらに、契約直後、内金入金後、契約から7 日後、披露宴直前、披露宴直後、30日後、結婚記念日60日前など、カップルのステータスや地域等の条件に合わせて、様々な種類のメールが約100パターン、1日の間に配信されているという状態です。
 メールの内容は広告宣伝は勿論のこと、結婚準備や夫婦生活、妊娠出産に関する情報提供、アンケート、プレゼントキャンペーン等、飽きて配信停止とならないために、有益かつ幅をもたせたコンテンツであるよう、心掛けています。例えば、結婚や出産の際、避けて通れないのが税金の話。Googleで『確定申告 結婚』と検索すると上位5位内、タイミングによっては国税庁より上に当社の記事が表示されます。これは、メール配信で会員向けサイトへ誘導した記事が『ちょうど今欲しい情報』として多くの人に読まれている事例だと言えます。
 また、新しいメールを作成/配信することは、新しい場所に新しい自動販売機を設置していくような感覚です。開封率の高いメールが生まれれば、そこになんらかの商品紹介を載せることができ、相性が良ければスポンサーに広告を出してもらえます。
 極端な事例では、先月、広告を掲載しているクライアントの新築戸建て住宅の購入のきっかけが、『T&Gからの優待メールを見て』だったそうです。まだ爆発的にとは言えませんが、不動産に限らず、引越しやアニバーサリーのケーキ、写真、保険など、ブライダル業界の方であれば誰でも簡単に思いつく結婚式と相性の良いサービスを、自動配信によって負荷無く購入に結びつけることが可能だと実証できたので、次の可能性が広がります。
 そもそもブライダルは顧客単価が高い一方で、顧客数は極めて少ない業界だと言えます。当社の1年間の新規来館数は全国の約100バンケット分を合わせても、都内のコンビニ1 店舗に遠く及びません。そのため、挙式後の会員向けWebサイトを単に置いておくだけではPV数が稼げず、PVの大半は配信メールを経由しています。用意したサイトやサービスに確実にお客様を誘導する“先導”の役割を、MMが担っているのです。
 挙式後カップルの興味は、一気に妊娠・出産に向かいます。当社が実施したアンケートでは、結婚式から3 年後のカップルの約半数が、出産を経験していました。そのデータをもとに、挙式後の顧客に送るメールでは、妊娠出産育児に関わる情報発信を強化しています。
 挙式後のカップルとの関わりにおいて、「ママ」は「結婚記念日」と並ぶ一大キーワードであり、当社ではFunFenFant(ファンファンファン)という、入場無料&コンテンツ有料のママイベントを毎月各地の式場で実施しています。毎回およそ1000人のママと1000人の赤ちゃんが来場していますが、うち約30%が配信メールを経由した、T&Gで式を挙げた方たちです。
 メールマーケティングに取り組む中での面白い発見、または巷でよく聞く話の実証事例を紹介していますが、ママ領域でも多くの発見があります。
 ママ向けのイベントでは、複数のフォトスポットを用意して撮影を販売しています。フォトスポット自体のデザインが違うので、当然Web予約に差が出ますが、同じくらい大きく影響を与えるのが予約画面に写っている赤ちゃんの存在です。そのフォトスポットの画像にそもそも赤ちゃんが写っているか、その子が座っているか、寝ているか、笑っているか、身長はどれくらいで何を着ているか。乳児を抱えたママはたった一枚の写真からたくさんの情報を読み取り、当日の様子を細かくシミュレーションするため、写真の中の赤ちゃんの状態で大きく結果が変わるのです。全く売れなかったデザインのフォトスポットが、レタッチで赤ちゃんを座らせただけで突然飛ぶように売れたこともあります。
 これも、あの手この手でテストしてみることを可能にするメールマーケティングをお勧めしたくなる、事例の1 つとなりました。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、2月1日号)