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キーマンに聞く

・連載3・成功例から学ぶ《エスクリの強さの秘訣》スケジュール管理で生産性向上 適正就業時間内に業務をこなす【エスクリ 本社営業企画部 ビジネスオペレーショングループ グループ長 福住絵里子氏】
今号は生産性の向上についてお話ししたいと思います。
当社はより高いクオリティの結婚式を提供することを目指し、新規と打合せのそれぞれのプロフェッショナルが担当する分業制を採用しています。業界全体で人材不足も叫ばれる中、特に打合せプランナーの工数削減は重要であると考えています。
スピード感を持ってタスクをクリアできるメンバーもいれば、もう少しペースを上げられるのではと感じるメンバーもおり、まさに十人十色。同じ作業をするにも2 時間でできるのか、はたまたその倍の時間がかかってしまうのか。当社では前者のように働けるメンバーを増やすことを目指し、社内に専任チームを組成して取り組んでいます。
まず着手したのは、各プランナーの担当件数に基づく『適正就業時間』の算出。その適正時間内に業務をこなせるメンバーもいれば、超過してしまうプランナーもおり、ケースによっては、その差が数十時間という実態が見えてきました。
では、そのスピードの違いは何か。専任チームが実際に1 日の仕事ぶりを細かくチェックしてみたところ、適正時間を超えてしまうプランナーは、タスク管理が苦手というケースが多く見られました。例えば、どの業務を優先すべきかの判断が難しく、後回しでもいいものに先に着手してしまう。一方で、パートナー企業への確認や現場の先輩の判断を必要とするような、相手ありきの案件を後回しにしてしまい、新郎新婦からの問合せに返信できずに、時間が経ってしまうというケースも散見されました。
そこで、専任スタッフからタスク・スケジュール管理などを徹底的にレクチャー。カップルとの打合せなど予め確定しているアポイントの合間を縫って、事務処理などをどこに入れ込んでいくのかを一緒に考えることにしました。処理自体の期限には猶予があっても、その日までのスケジュールを網羅的に把握し、期限までのどの日・どの時間を使って消化するのがベストかを考え、計画的に動けるようになりました。取り組みの結果、レクチャーを受けたメンバーは1 施行あたりにかかる労働時間を平均20%ほど削減成功。本人たちもライフワークバランスを取れるようになったことに、嬉しさを感じているようです。
当初の対象者は主に3 〜5年目のプランナーとしていましたが、指摘されて初めて気づきを得るメンバーも多く、今後はさらに若年層にも対象を拡大する予定です。
生産性が上がれば残業時間の削減に繋がりますし、何よりスタッフがイキイキと働ける。離職率の観点でも、重要なポイントの1 つです。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、10月11日号)