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キーマンに聞く

スタッフから企画アイデアを募集【アルカディア 代表取締役社長 大串 淳氏】

スタッフから企画アイデアを募集【アルカディア 代表取締役社長 大串 淳氏】

「2 月末から施行可能かの問い合わせが徐々に入り始め、3月は30%が延期。4 月は家族だけなど一部少人数施行はありましたが、それ以外はほぼゼロでした。5 ~ 8 月に関しても延期が大半を占め、バンケットはほとんど空いている状況と言えます。秋は大半の顧客が様子を見ており、私自身も秋からは実施できるのではという期待を抱いています。とはいえ年内いっぱいまで長期的な影響が出ることもシナリオの1 つですので、コロナの波がじわじわと広がり始めた2 月後半から、収支のシミュレーションをスタート。3 月初めにはメインバンクとの借り入れの話も進めていました。コロナの影響が想定よりも長引き現在は銀行の対応も時間がかかると聞いていますので、早い段階から準備できたのは良かったと言えるでしょう。」

 

「5 月中旬時点でスタッフは各店舗2 名体制で出勤し、人数を必要最低限に抑え感染予防策をとりながら顧客からの問合せにも対応してきました。秋の施行に向けての打合せや日程を変更したカップルに対するフォローなどは、Zoomを活用してオンラインで進めています。」

「当社は福岡県や佐賀県でゲストハウスを運営していますが、地方展開だからこそ、バンケットが広いのは顧客の安心・安全に繋がるかと。福岡・天神に位置する旗艦店『QUANTIC』に関しても、バンケットは最大130名まで収容可能です。その他店舗は最大約250名など。開放感あふれる広さのバンケットは、ゆったりと使ってもらえるわけです。実際3月の施行では、テーブルとテーブルの間隔を2mあけ、8名掛けのテーブルは4~5名に変更。窓がある造りのため30分に1度換気もできるなど、新郎新婦とゲストはもちろん、スタッフの安全も第一に考え進行しました。安全面に対する条件は、地方都市の施設だからこそ揃いやすいわけです。」

「『新しい生活様式』の提言に関してですが、考えようによってはブライダル業界にとってプラスになるのではと捉えています。例えば食事は対面ではなく、横並びで座るという項目。日本ではまだまだ円卓が主流ですが、海外ウエディングの最新事例などを見せることで、流しテーブルの提案がしやすくなるはずです。会場としてもコーディネートの幅が広がりますし、流しスタイルを新鮮に感じるカップルもいるでしょう。プランナーから様々なアイデアが出てくるようになれば、『新しい提案をしてくれた!』と満足度アップにも繋がってくるかと。」

「また、気温が上がるにつれて怖いのがノロウイルスなど。今後もコロナと長く“付き合っていく”ことが想定されますが、多くの人に手洗い、うがい、除菌などの習慣がいい意味で根付いてくるのではと予想しています。式場側がどれだけ万全の体制を取っていても、ノロウイルスの感染が顧客から始まってしまう可能性は否定できません。簡単に実践できる手洗いの徹底や、除菌スプレーの利用などが根付けば、ウイルス性の感染リスクは全体的にも下がってくるでしょう。難しい部分もありますが、新しい生活様式はプラスに捉えていきます。」

「今回のコロナの影響で、花や食材などのロスがニュースで連日取り上げられていました。ブライダル業界はそうした関連産業の維持・活性化にも繋がっているわけです。今後は自分たちの結婚式が誰かのためになるというカップルの意識も、今まで以上に高まってくるのではと想定しています。サステナブルウエディングのような文化的な考えも更に根付いてくるでしょうから、そうした点に対するアプローチなどは、今後より求められるかもしれません。」

「緊急事態宣言を受けて施設を一旦クローズしており、スタッフは基本的には自宅待機となっていました。時間がある今だからこそ何ができるかを全員が考えるいい機会とし、会社としてやってみたいアイデアを1 人1 案以上募集しました。当初予定していた挙式日にカップルに手紙を送る、最前線で戦う医療従事者にアルカディアのお弁当を届ける、プロの味を自宅で楽しめる料理動画配信などなど。手の込んだ資料も多く、『何かしたい!』というスタッフのモチベーションの高さを感じられ、本当に嬉しかったですね。すでに1 度SNSなどで告知もして、その後緊急事態宣言が発令されたので延期を余儀なくされましたが、タイミングを見て実施したいのが、卒業式や入学式が中止になってしまった学生などを会場に集めての撮影会です。当社は衣裳の内製化を完了しているため、ドレスなどを無料で貸し出して、思い出づくりのサポートがしたいと考えています。夏まで施行がないことを考えれば、バンケットや持っているリソースを出来る限りうまく活用し、多くの人たちに提供していきたい。私たちは地域に根付く式場を目指しています。結婚式を挙げる新郎新婦はもちろん、地元の人たちが笑顔になってくれることこそが、社会貢献に繋がってくるはずです。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、5月1-21日号)