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キーマンに聞く

【この人に聞く】今こそ地産地消に転換(メディアハウスプロモーション 執行役員 鈴木直樹氏)

【この人に聞く】今こそ地産地消に転換(メディアハウスプロモーション 執行役員 鈴木直樹氏)

 中止・延期カップルへの自治体による支援を、いかに全国的に拡大できるか。リクルートブライダル総研所長時代に、結婚婚活応援プロジェクトに関わり、各種データを調査していったメディアハウスプロモーション執行役員の鈴木直樹氏は、「国が掲げる少子化対策に関して、各自治体が住民に寄り添っている立場から様々な形で応援しており、そこが一つの突破口になるのでは」と語る。今号では、ブライダル業界から自治体への請願のポイントを紹介する。

――佐賀県、四街道市のように、結婚式を延期したカップルへの支援制度を表明する自治体があります。先日、地方協議会の役員から、当該地域でもそうした支援策を打ち出してもらうために、請願するとの話しを聞きました。その際のポイントをどのように考えますか。

鈴木「結婚式は開催した方がいいということを、自治体に対していかに伝えていくか。例えば、結婚式をする理由として語られることの多い、結婚式をしたら離婚率が減るとの話ですが、残念ながらそのエビデンスがありません。以前、離婚をした人に結婚式をしたかという調査を実施したこともありましたが、様々な要因がある中でその相関関係を証明することは難しいという結論に至りました。ブライダル業界側として離婚が減ると語ることはあっても、エビデンスがない以上こうした話を請願のポイントにするのは難しいかと。首長や自治体を動かすためには、別の観点からのアプローチも必要だと考えます。」

鈴木「仮に結婚式を実施した場合、それだけで300万円以上のお金が回ります。エリアGDPの観点から、この経済効果は非常に大きいわけです。コロナの影響で地域経済が厳しい状況にあって、そのまま結婚式を中止にしてしまえば、本来回るはずであったお金が逸失となってしまう。こうした経済的な側面からのポイントが一つ。もう一つは、結婚式の場合、参列した未婚ゲストの結婚意欲を高める効果があります。つまり自治体にとっては、結婚式によって未婚化対策につながっていくわけです。未婚少子化は多くの自治体では喫緊の課題でもあり、だからこそ請願の際にはこの部分も踏まえるべきです。」

 

――経済面を考慮すると、結婚式の場合地域内はもちろん、地域外からの参列もあります。GOTOキャンペーンなどを考えると、地域外からの来訪を促進する流れも高まっていますし、その点からも結婚式が果たす役割があると考えられませんか。

鈴木「確かに観光振興という側面もありますが、結婚式の地域外からの参列は、多くても20%、平均的には10%前後かと考えられます。また参列者傾向など、地域によって事情は異なってくるのではと。ただ、ブライダル業界側の対応次第で、こうしたポイントが効果を発揮する可能性もあります。それが地産地消への取り組みです。結婚式で地元の食材を使用する、ギフト関連も地元ならではの特産品を用意するなど。地方自治体にとっては、ブライダル業界のみならず、地域の生産者や企業などへもより広く影響を及ぼすとなれば、そこには注目するはずです。さらに言えば、地産地消によって結婚式がその地域ならではの魅力を持つことで、地域外からも招きやすくなります。地域特産品を多くの人にプロモーションできる絶好の機会にもなるという点から、自治体にとっても支援すべきという機運が高まるでしょう。」

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、7月11日号)