アルカディアの破産申請を受けて、各事業者による支援の輪が広がっている。スピーディーな対応を取ったのは、NPO法人北九州ブライダル協会だ。
25日の破産申請の翌日夕方には、緊急の理事会を開催。満場一致で救済措置を講じることを決定した。概要は大きく4 点。1 つ目は『手付金の割引』。アルカディアで挙式予定のカップルを対象に、協会加盟の式場・ホテルにおいて、手付金の一律割引を提供。予約日の制限は、2027年2 月末まで。
2 つ目は『付帯サービス業者の持ち込み許可』。アルカディアのパートナー企業が被った被害も大きいとし、協会加盟の施設には衣裳、カメラマンなどの持ち込みに対する特例措置を求めていく（但し5 月末まで）。
3 つ目の『カップルの相談窓口設置』は、式場紹介などを手掛ける『パーソナルウエディング』を案内。団体に加盟していない一部施設も含め、特別対応に賛同する式場・ホテルの空き日程情報を提供している。招待状をすでに出した場合など、日程の近いカップルはそのままの日取りを希望するケースも多く、複数会場に問合せする手間を減らせるようにした。
4 つ目は『アルカディアの従業員の雇用支援』。突然解雇の現実を突きつけられたスタッフも“被害者”との考えに基づき、引き続き婚礼業界での勤務を希望する場合は、協会の式場・ホテルを紹介している。　
同団体は2020年のコロナ禍に発足。それ以降様々な連携を図ってきたことから、今回もスピード感ある対応に至った。
「救済措置2 つ目のパートナー企業の持ち込み対応に関しては、これ以上負の連鎖を絶対に起こしてはならないとの想いから。また、相談窓口の『パーソナルウエディング』には、多い日で20件ほど問合せを受けることもありました。協会に加盟していなくても賛同する式場があり、エリア一体でカップル、パートナー企業、アルカディアの元スタッフを支援していきます。」（理事長・花田典久氏）
2 月27日には、北九州市都市ブランド創造局がメディア関係者に向けて、2 つの『北九州ウエディング応援プラン』を発表。1 つ目は挙式支援で、アルカディア小倉で挙式予定だったカップルを対象に、関門海峡ミュージアム内に新たにオープンしたセレモニースペースでの挙式を無償提供（別途30名以上の披露宴開催が必須）。もともと3 月9日にセレモニースペースの開業が決定しており（所有は県と北九州市）、施設の指定管理者である『門司港共創プロジェクトチーム共同事業体』の自主事業として、マリーゴールド門司港迎賓館と連携を図り対応する。
2 つ目のフォトウエディング支援は小倉城、いのちのたび博物館など、市の所有する5 つのユニークベニューを、撮影場所として無料で貸し出す。

（詳細はブライダル産業新聞紙面にて、3月21日号）