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  • 社説:潮目
  • 24.12.24

「良い結婚式」はESから 

企業においてCS(顧客満足度)は業績に直結する大切な指標であるが、特にサービス業ではCS向上のためにES(従業員満足度)こそ重要であると考えられる。従業員のモチベーションがパフォーマンスを高め、引いては接客に大きな影響を与えるからだ。また生産性向上にもESは大きく関わり、会社の業績を大きく左右する。結婚式場の場合、自社の従業員はもちろんのこと、パートナーを含めた外部人材も式場スタッフとして顧客に対応するため、PS(パートナー満足度)も同時に見逃せない部分である。
新春号に向け、大手各社のトップインタビューを進めているが、「良い結婚式」とは何かを考えさせられることも多い。言葉としての「良い結婚式」は、どの企業も旗印に掲げている。もっともその定義は非常に曖昧で、申し込みから本番を通じてどこまでその実感を顧客、従業員に与えられているかが大切である。結婚式に魅力を感じず、「良いもの」と考えていない人が増えている結果からみれば、「良くない」結婚式がこれまで、そして現在も行われているのだろう。「良くない」結婚式を実施した人、参列した人、その仕事に携わった人が多いほど、無形の高額商材はどんどん購入されなくなっていく。ブライダル業界は、自ら危機を招いてしまっている。
秋のハイシーズンの結婚式の評判を耳にすると、来年はさらにマーケットは厳しくなるだろうと予測できる。現場業務を担当するパートナー企業関係者からは、人手が圧倒的に足りないため、あり得ないミスが多発していると聞く。それを証明するように、口コミサイトでも全体として厳しい投稿は増えているそうだ。もちろん「良い結婚式」を初めから最後まで追求している企業もあるが、『悪貨は良貨を駆逐す』の言葉通り、一部の「良くない」事例は結婚式全体の評判になっていく。

(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月21日号)