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  • 社説:潮目
  • 22.01.01

コロナが突き付けた課題、夢から覚めて現実のスキルUPを

 11月に発表されたゼクシィトレンド調査は、本紙でも報じた通りに平均総額、人数共に大きな減少となった。コロナ禍においてはそれも致し方ないことではあるものの、取材を通じて耳にする「コロナだから」という言葉には違和感も生じる。もともとブライダルマーケットはここ数年マイナストレンドに入っていたのは事実で、単価・人数共に減少傾向であった。コロナによって一気に落ち込んだとはいえ、それだけの要因でないことは明らかだ。コロナの影響は実はブライダルの課題を鮮明にあぶり出しただけで、そこを抜本的に改善しなければ真の回復などありえないのではないか。
 コロナを一過性の災害とみなして、時が過ぎれば元通りになるという考えもある。一方で、そもそも世間の多くの人の抱えていたブライダルに対する疑問が、コロナをきっかけに露わになったと語る経営者も。前者は未曽有の災害が通りすぎるまで生き残るために目先の対処策だけに頭を働かせ、後者はこれをきっかけにそれまでの構造を根本から見直そうとしている。マイナストレンドであったマーケットにおいて、これからを生き抜けるのはどちらか。
 次号新春特大号では、この1 年半をどのように取り戻していくのかを業界のトップたちが語っている。コロナで変容した消費者意識を踏まえれば、通常帯の結婚式は戻ったとしても70~80%程度ではないかという指摘が多い。そこでどのように生き抜いていくのか。回復した通常帯の70~80%を獲得するために商品力、スタッフ力をさらに磨いていくことを重視する人もいれば、それ以外の層を獲得するための多様な商品提供の必要性を語る経営者も。いずれにしても、これまで通りでは経営が厳しいままであるという前提のもとに、この1 年半の間にも準備を進めてきた。そうした先手こそが、2022年に花開くのだろう。
(詳細はブライダル産業新聞紙面にて、12月21日号)